こんにちは。
ねこバカ街歩きライターのたっちゃんです。
「喫茶店のおばあちゃんになりたいんです」
少し照れながら話してくれた店主が始めた『喫茶・お食事 よなが』では、日替わりのお菓子やランチがいただける、懐かしさとおいしさが隣り合う、憩いの喫茶店です。
閉店前にはメニューが完売してしまうこともあるほど、一度来たらまた寄ろうかなとなってしまう、よながさんの魅力とお店に込めた想いを伺ってきました!
目次
阿佐ヶ谷カフェ『喫茶・お食事よなが』きっかけは銀座の喫茶店
「最初は喫茶店でなくてもよかったと思ってました。」
そう話すよながさんが喫茶店を始めようと思ったきっかけは、10年ほど前の銀座。
人生の進路に悩んでいた頃に立ち寄った古き良き銀座の純喫茶でマスターが丁寧にネルドリップでコーヒーを淹れる姿に惚れてからといいます。
「こんなにも真摯に一杯にお客さんに向き合っていて、私のやりたいことはこれなのかもしれない」
と、一つの出会いがきっかけで、もともと料理を友人に振舞ったり飲食にも興味があったこともあって、飲食の道へ舵をきります。
その後は様々なジャンルの飲食店で勤務をしていく中で、いいな、と思ったものを見つけ、
「あれもやりたい、これもやりたい!」
と泉のように湧いてくる、よながさんの好きやお客さんへ届けたいものを形にしていったのが現在の『喫茶・お食事よなが』です。
名前の由来は『秋の夜長』から。
縁側でお月見をするような、ゆったりした時間を過ごせるのも魅力の一つです。
「喫茶店ならスイーツだけじゃなくて、日替わりランチでエスニックやパスタ、定食だって出してもいい。ジャンルに縛られずにできるなと思って」
確かにメニューを見ると、よく見るものもあれば見慣れないものも。
「これなんだろう」と小さなわくわくが芽生えたり「日替わり」の文字に胸が躍ります!
阿佐ヶ谷カフェ『喫茶・お食事よなが』シェアカフェとの出会い
阿佐ヶ谷駅北口から徒歩2分、現在の間借り先のシェアカフェ イネルと出会ったのはこのシェアスペースのオーナー丸さんが東京で営んでいたカルマでのこと。(現在は鳥取にて出店)
イネルの、カフェや展示にヨガなど縛りがない営業形態で地域住民やお客さんと輪を広げるコンセプトに共感したことや、喫茶店時代の先輩がイネルで出店していたこともあり「ここならやりたいことをできるかもしれない!」と決意されたそうです。
間口の広い入り口からは木漏れ日が柔らかく入り込み、絵本に出てくるような可愛くて落ち着く空間です。
もともと廃レコード屋だった建物をオーナーの丸さんがリノベーションしたのが現在のイネルです。
イネルでは喫茶店の他、焼き菓子販売、Barやヨガ、写真展などカフェを軸に様々なお店が日替わりで営業する一風変わったシェアスペース。
お店に来たお客さんが「やってみたい!」と出店者になったり、人が人を呼んだり、出店者どうしがコラボして企画を立ち上げたり、現在では1か月ほぼ毎日いろんなお店が出店し、阿佐ヶ谷の一角で七色に輝いています。
棚には各お店のショップカードやオーナーの丸さんの活動の広報誌などもディスプレイされ、一度行けば新たなお店と出会えてしまう魅力。
お店には猫雑貨なども。
阿佐ヶ谷カフェ『喫茶・お食事よなが』パスタにケーキ、日替わりメニューが何度来店しても楽しい喫茶店
「クラシックなものが好きなので、古書店で昔のお菓子本や料理本を見て、ときめいたものを出すことが多いです」
古いものや地域のつながりも大切にするよながさん。
日替わりメニューはスイーツや珈琲に加え、パスタがやオムライスなど様々。
珈琲ゼリーはラム酒をちょっと効かせ「デザートだけどこれ一つでも楽しめるように」と気遣いと遊び心を込めた一品です。
今回は、パイナップルのアップサイドダウンケーキとアイスコーヒーを注文しました。
アップサイドダウンケーキとはアメリカの家庭で作られるクラシックなケーキのことで、フランス菓子のタルトタタンと同じカテゴリです。
大きくカットされたケーキには大輪の花咲くパイナップルが。
とっても綺麗です…!
焼いて甘さが際立ったパイナップルと、ほろほろ弾むようなスポンジ生地がお口の中でハミングするおいしさ!
すっきり軽めのアイスコーヒーとも相性ピッタリです!
珈琲豆は喫茶店時代の同僚が現在働く阿佐ヶ谷の焙煎所から仕入れているものを使用。
丁寧にハンドドリップで淹れる姿には、よながさんが銀座で感じたお客さんに向き合う想いが伝わってきます!
実はメニュー表の模様も水滴、ではなく珈琲を飲んだ後の余韻をイメージした模様で
「ほっと落ち着いてほしい」
そんな思いがさりげなく込められています。
ケーキを食べ終えてサービスで提供されたニューサマーオレンジがまるで笑っているようでした。
阿佐ヶ谷カフェ『喫茶・お食事よなが』静かなホスピタリティーに一息つける、憩いの喫茶店
店内にはよながさんのこだわりが随所にあります。
例えば、赤い綺麗な花の横に置かれた「雑記帳」。
以前のバイト先で「いいな、これ」と思い4月から始めたもので、訪れた人が感想や日々の気になったこと、喫茶に関係ないことなど、何でも自由に好きなように書いていいもの。
ページにはお店を訪れた人の素直な言葉が書かれていて、読んでふっと微笑んだり、なに書こうかな~と考える時間がリラックスするひと時を与えてくれます。
「その一瞬で伝えられるものがあると思うんです」
ケーキやドリンクをサーブする時や、お客さんがお店を後にする時、店主は決まって綺麗な一礼をされます。
人生に悩んでいた時、銀座でマスターの珈琲を淹れる姿に救われたように、一挙手一投足で訪れた人に安らぎを届けたい、そんな思いがじんわり伝わってきます。
「世界で一番喫茶店の力を信じています」
と力強く話すよながさん。
喫茶店は、映え中心のカフェとはちょっと違う場所。
気分が落ち込んだなと思った時、癒されに行ったり、
マスターや偶然居合わせた常連さんとのおしゃべりを楽しんだり、
珈琲をお供にじっくり読書をしたり、各々が日常のペースでリラックスできる時間と空間が魅力の一つです。
身の回りがせわしなくなった時に、自分だけの喫茶時間を味わいに行ってみてはいかがでしょう。
阿佐ヶ谷カフェ『喫茶・お食事よなが』お店の詳細
喫茶・お食事よながの営業情報や焼き菓子のラインナップはInstagramをチェック
シェアカフェイネルの出店情報やスケジュールはInstagramをチェック
ライタープロフィール
猫とふれあい続けて25年、現在進行形で保護猫のお世話をするねこバカ人間。
天気のいい公園で、途中パン屋さんで買ったパンを食べてゆっくり読書をする時間が好き。
『深く面白く街を歩く』をモットーに日々街を練り歩く、少し変わった若者。
好きな作家は村山早紀さん、好きな食べ物はパセリとプリン。
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