【阿佐ヶ谷、若者たち #1】みんなが安心して食べられるメニューを。幼稚園教諭時代の経験が、今のあたたかいカフェ作りへと繋がる。【こめっこcafe】

阿佐ヶ谷

ツブサをご覧のみなさんおはようございます、ライター・ピアニスト・写真家の伊藤夏希です。

杉並区に関わる“若者”にフィーチャーし、その人の生き方や暮らしにまつわるエピソードを深掘りしていく「若者たち」シリーズ。

今回は阿佐ヶ谷です。ご紹介するのは、昨年2023年2月、阿佐ヶ谷で新たにオープンした「こめっこcafe」の店主 ひろきさん(31歳)。

米粉を使った「ダッチベイビー」を看板メニューに、老若男女問わず、小麦が食べられない方でもさまざまなメニューを楽しむことができる「こめっこcafe」。

お店のレビュー記事はこちら

今回はそんな「こめっこcafe」をオープンするまでの経緯、そしてこれからの未来について深堀していきます!

幼稚園教諭からカフェ経営の道へ

大学を卒業してから約7年間、30歳くらいまでは幼稚園教諭として働いていました。
子供が好きというのもあるけれど、元々母親が保育士をしていたのもあって、「保育士か幼稚園の先生ってなんか良いな〜」と(なんだか漠然としていますが)昔から憧れがあったんです。
でも学生時代は居酒屋やカフェでずっとアルバイトもしていたこともあり、いろんな人と関わることのできる飲食業も魅力を感じていたので、「30歳になったら幼稚園の先生をやめて、自分の飲食店をオープンしよう」と、幼稚園教諭になる前から決めていました。

祖父の意思を受け継ぎ、カフェオープンまで

今でこそ阿佐ヶ谷に住んでこうしてお店を経営していますが、実は生まれも育ちも西武新宿線沿いの田無なんです。
ただ、20年前くらい、おじいちゃんが今あるこのお店の1階でお米屋さんをしていたのもあって、阿佐ヶ谷の七夕祭りなどイベントがある際は、阿佐ヶ谷まで来てよくお手伝いをしていました。
そんなおじいちゃんが他界して、何かおじいちゃんがやってきたお米を使ったお店ができないかと考えて、今のこめっこcafeをオープンすることを決意します。

お店をオープンする前、幼稚園教諭をやめてから1年間くらいは、カフェ経営について勉強できる専門学校に通いました。

その学生期間は、田無にあった「フジカフェ」(現:ムサシノコーヒー)にいる店長に「僕も自分のお店をやりたいので、1年間だけ修行させてください」と弟子入り。
カフェバイトもしつつ、幼稚園も人手不足だったので、教員補佐のような形で幼稚園でも少し仕事をしつつ、専門学校に通っていました。
その時期はコロナもあったので激務まではいかなかったけれど、割とバタバタしながら生活していたような気がしますね。

ノリでいけるでしょ!

ふわふわした性格なので、専門学校を卒業してからカフェをオープンするまでは、特に不安もなく、「なんかノリでいけちゃうかな!」ってラフな気持ちでお店づくりをしていました。
このお店、1階はおじいちゃんがお米屋さんをしていたのですが、2階は父親が15年くらい前におにぎり屋さんをしていたのもあって、厨房だけはきちんと残っていたんです。
だから、せっかくなら厨房はこのまま使おうと思って、友達と「DIYやろう!」くらいのラフな感覚で、とはいえ業者に頼みつつ、楽しみながらお店づくりをしました。

幼稚園教諭時代の視点が、今のあたたかなお店づくりに繋がる

自分自身グルテンフリーな人間というわけではないのですが、このお店をオープンしてからは、やはり米粉が良いからといった理由で来てくださる方も多いですね。
実際、幼稚園教諭時代、小麦が食べられない子どもたちを多く見てきて、そんなお子さんでも食べられるような、みんなが安心して楽しめるカフェにしたいとずっと考えていたので、こうしてグルテンフリーを求めていらしてくださるのはうれしいです。

でもやっぱり、自分の教え子たちがお店まで来てくれるのが一番うれしい…!
開店祝いで来てくれたり、今でもたくさん来店してくれる方がいるので、いつもアットホームであたたかい空間が生まれています。

普段は30~40代くらいの大人なお客さんが多いけれど、平日ランチだと男性の方も多いし、ただ小さなお子さんが来ても安心できるよう、店内には折り紙や絵本なども置いているで、それもあってか、最近はお子さん連れの方、親子で来店する方も増えてきた印象です。
このまま、小さいお子さんから大人の方まで楽しめるカフェであり続けたいなと思っています。

看板メニューの“ダッチベイビー”

お店の看板メニューである“ダッチベイビー”は、ダッチオーブンで作るパンケーキです。
ほぼパンケーキみたいな感じなんですけどね…(笑)
ドイツやアメリカでは、朝食としてよく食べられるもので、本来は小麦粉を使うのですが、うちは小麦粉の代わりに米粉を使って作っています。

1年間カフェについて勉強していたとき、最初は米粉パンをメニューにしても良いかなと思っていたのですが、米粉パンをカフェで出されてもなんだかなぁと思って。。


ダッチベイビーはあまり専門店も多くなかったし、珍しさもある上にカフェの雰囲気に合うような可愛らしい見栄えの良さもあるので、試行錯誤した上で、ダッチベイビーを看板メニューにすることにしました。
意外とこの生地の立ち上がりが難しくて、生地の配合も凝っているので、こだわりが詰まった逸品なんです…!

その他、ダッチベイビーだけでなく、ナポリタンやピラフなどランチメニューもたくさん揃えています。
やっぱり甘いものだけだと飽きられちゃう気もするし、寒い時期に比べて、暑い時期は冷たいメニューの方がより多く食べられるかなとも思うので、季節毎にメニューを変えたり、その時期にあったメニューを普段から考えていますね。

いつだって1番たのしい“今”を継続していきたい

2024年2月22日で、お店をオープンして丸1周年。
常連さんもたくさん増えてきたけれど、お店が2階なので、一見さんでも入りやすいようなお店づくりを今後はもっと工夫していきたいし、夜カフェとして、パフェやお酒も楽しんでもらいたいし、せっかくの1周年なので、簡単なものだけどイベントもできればいいなぁと。
あとは地元の田無が大好きだから、いつか田無でも飲食店を開業したい…!

やりたいことはまだまだたくさんありますが、ただ、今でもいろんな出会いがあるし、いろんな人とお話ができるので、1番楽しいこの今が、これからも続いていけばなと思います!

「こめっこcafe」プロフィール

こめっこcafe

米粉を使ったグルテンフリーの「ダッチベイビー」がメインである阿佐ヶ谷のカフェ。
季節毎に変わるメニューや夜パフェなどもご賞味ください!

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ライタープロフィール

伊藤夏希 

1998年生まれ。宮崎県出身、高円寺在住。 
武蔵野音楽大学を卒業後、文筆家・写真家・ピアニストとして、東京・宮崎を拠点に活動中。
陽と陰をテーマに、人間らしいやわらかな世界観を表現している。

2024年3月1日〜15日 伊藤 夏希×ルイス・ハリソン 写真展「シンクロニシティ」
2024年3月16日〜31日 伊藤 夏希×ルイス・ハリソン 写真展「きみが朝凪を追うなら」
2024年4月14日 ピアノ&チェロデュオコンサート「夜明けには忘れるゴーストタウン」
2024年6月1日〜30日 伊藤 夏希×ビーンズ阿佐ヶ谷 写真展 開催予定。

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