吉本最弱芸人・おふろは、健康で文化的な最低限度の生活を「杉並で」営む権利を有する。 vol.4 : カキ氷&カフェ フウリン堂

吉本芸人おふろ
文章・おふろ(早崎 貴宏)
高円寺

ツブサをご覧のツブサーの皆様。

お疲れ様です。

相も変わらず、杉並区で最低限度の生活を営まさせて頂いております。吉本興業所属「おふろ」でございます。

吉本興業・おふろ
左:早崎 右:井上

今月の給料が800円だった事にも慣れてしまった我々は「アルバイト・酒飲み・支払い」の地獄演舞を舞い続けています。

さて、今回は異常とも言えるここ最近の気温の中”公園でネタ合わせ”という、もはや自傷行為とも捉えられ兼ねない日常を少しばかり。

お互いが住んでいる場所からちょうど真ん中辺り、人体で言えば”へそ”と呼ばれる辺り(体の中央の穴のようなもの)にある公園でネタ合わせをしています。

この日も各々が汗を賃金に換えた後に集合。
早速、常識を把握した上でなにやら可笑しげな言の葉の応酬を行う通称”漫才”の練習を始めようと試みるものの動けず。
それもそのはず。米倉涼子ならこう言うでしょう。

「日本の夏は暑過ぎる!」

なんと日本はケータイが高過ぎるだけでなく、CMの音量が大き過ぎるだけでもなく、夏が暑過ぎるのです。

しかも今年の夏は呼んでもないのに早めに到着。
ホンマもんのおっととっと夏だぜ状態。

梅雨はほぼ無し。

蕎麦だったら激おこもんです。(なんと梅雨と蕎麦つゆが掛かっている)

見てください、今にも干涸びそうな貧困男性二人組。
ここが煉獄。

生活に潤いが無いのはまだ我慢出来ますが、人体に潤いが無いのは文字通り死活問題。
最低限度の生活どころか生命活動すら危うい状態。生きる為の行為が命を止める事になるのは本末転倒。

至急、水分を多量に含み、なおかつ恐ろしいほど冷えた物体を身体にご案内しなければ。

松岡修造より熱くなったスマホを片手に、港区のチワワの如く震えた指で、杉並区の犬が検索したもの。


それはそう、かき氷。

幼子の頃から、家でガリガリ外でシャクシャク。
近所にリヤカー的なものを引いてかき氷を売るおじさんがいたような。
100円で買えた時代もあったような。
そういえばマックのハンバーガー60円の時代もあったような。

懐古厨はさておき、見つけました。

杉並区梅里2丁目に原宿を見つけました。

「カキ氷&カフェ フウリン堂」さん。

カキ氷&カフェ フウリン堂 外観

新高円寺駅近く、五日市街道から路地に入った所にある一軒家を改装したカフェですかね。

我々がかき氷と聞いて思い浮かべるのは、スーパーに売ってある長方形のビニール袋に入ったピンク色のいちご味。

もしくは、先ほどのリヤカーおやじが作るカチカチで下スカスカのかき氷。

しかしフウリン堂さんのかき氷は全くの別物。

カキ氷&カフェ フウリン堂 メニュー

まずメニューからして違います。

シンプルに”いちご”なんてありません。

ひょっとして”ハワイアンブルー”なんて頼もうって人いませんよね?(青いというだけで覇権を握っているシロップ。僕は好きです)

他にもまだまだメニューがあり、ドラクエ5の嫁選びばりに頭を悩ます二人。

値段に畏れを抱きつつも、我々には漫才で世界を救うという使命がある為、すぐさま選択。

そして注文したのがこちら。

カキ氷&カフェ フウリン堂 メキシカンマンゴーヨーグルトソース

井上 ”メキシカンマンゴー ヨーグルトソース”

何やらリングネームのようになってしまいましたが、そんな事よりこのド迫力かき氷。

どんな顔はめパネルにもはハマってこなかった男の顔よりも大きな盛り付け。

頂点に冠したブリブリのマンゴー果実。
淫らにかけられたマンゴーの蜜。
井上の興奮は抑えが効かず、いただきますも言わずにがっつき始めました。

カキ氷&カフェ フウリン堂 メキシカンマンゴーヨーグルトソース・実食

渇いた身体に禁断の果実を献上し極上のトリップ体験。

そらこんな顔にもなりますわな。

これだけ人間をしゃくれさせ、ここまで理性を奪う合法のモノがこの世にあるとは。

それもこれも全部夏のせい。

ひいてはフウリン堂さんのせい。

獣と化した相方を横目に早崎が頼んだのはこちら

カキ氷&カフェ フウリン堂 桃のコンポートピーチミルクティー

炒飯ではありません。

”桃のコンポート ピーチミルクティー”

かき氷の概念を覆され、焦点が合わなくなり、口は半開き。

今にもよだれがだらだらと溢れ落ち、迷惑料を払う事になり兼ねない状態に追い込まれています。

もはや何が何だか分からずにかき氷を頬張ると、炸裂する桃の香りとコンポートの濃厚に染みた味。
重さを全く感じさせないピーチミルクティーはバクバクとがっつかせてくれ、高校生の食欲とも渡り合えるフットワーク。

カキ氷&カフェ フウリン堂 桃のコンポートピーチミルクティー・実食

世紀末リーダー伝たけしのような顔にもなります。

桃色のカタストロフィ。

ただのかき氷では満足できない身体になってしまった悲劇。
もう今までの僕たちには戻れない。お値段も納得。



さりとてネタ合わせには戻らなければいけない二人。

お互いが”もう帰りたい”と思っている事を認識していながらも、どちらも口にする事はせずに公園へ戻ります。
公園へ戻るやいなや、天を恨んでいたとは思えないはしゃぎ方を見せる愚者井上。

回る事は決してせず、腹に蓄えた愚肉を鉄棒に乗せながら微笑むという、悪魔召喚の儀のような遊びを発明。

それに触発された愚貧早崎。

その姿、天に突き刺すロンギヌスの槍。

使徒側の人間とは思えない神々しさを放ちます。


さあ、勘のいいツブサーの皆さまの事でしょう。

お気づきになりましたね。

こいつらもうネタ合わせしません。


ただただ暑い日に集まってかき氷食べて鉄棒で遊ぶ。
今どき小学生もやらない生活をしてやがります。

”最低限度の生活”というかただの”最低”です。


我々おふろの合言葉は”そんな日もある”

現在、様々な情報、動向が私たちの生活に影響を与えているし、気候ひとつで心身の状態は変わります。
しんどい時もありますよね。(お前に何が分かんねんは空に飛ばして)


全裸監督ではありませんが、何かあったらたまには下向いてみて下さい。

我々がいます。

ここまで読んで頂いたあなたの心が少しでも桃色になれば、はたまたメキシカンマンゴー色になればと思います。



ご一読ありがとうございました。またお会いしましょう。


※次回の更新予定は、8月初旬頃を予定しております。

プロフィール

写真左:早崎 貴宏(はやさき たかひろ)

1990年5月26日 ふたご座 AB型 右投右打
吉本興業所属 お笑いコンビ”おふろ”として活動中。
小学生の頃に兄の影響で野球を始め、大学の野球部で相方の井上と出会う。
現在は、父の影響で始めたパチンコで抱えた借金を返済しつつお笑い活動をしている。