高円寺カレー「コクテイル書房」は、古本と酒と肴が楽しめるお店。
店内で頂ける料理やお酒は「文学」がテーマになっている。
店内には古本が所狭しと並んでいて、読みながら食事をとることができ、本は購入することも可能。
店外には本の交換が出来る「まちのほんだな」があり、お金を介さずに本を手に入れることができる。
最近ではレトルトカレー「文学カレー漱石」を作られ、本屋さん等への卸し、店頭での販売もされている。
今回は店内で、文学カレーを頂いてきた。
目次
高円寺文学カレー「コクテイル書房」外観
お店は高円寺駅北口から歩いて8分ほどの、北中通り商店街沿い左手にある。
建物は大正時代に建てられたという古民家。
ガラス扉越しの店内には、4人席の小上がりが見える。
路地沿いの店外には、無料で本を交換できる「まちのほんだな」がある。
家で読み終えた本を持ってきて、こちらにある本と物々交換ができる仕組み。
本棚には、約400冊が並ぶそう。
利用者が読みたい本を選べる様に、店主の狩野さんが定期的に本を入れ替えられている。
高円寺文学カレー「コクテイル書房」店内
店内は入った所直ぐに4人席の小上がりがある。
その後ろには2人掛けのテーブル。
奥にはL字のカウンター。
BGMには、優雅なクラシックが流れる。
さまざまなお店が入れ替わりで入ってきた本家屋は、店内至る所に趣きのある歴史の気配が漂う。
ちなみに、以前コクテイル書房はあづま通り商店街にあり、数年前にここ北中商店街のお店に移ってこられた。
小上がり奥や、カウンターには所狭しと様々な本が並んでいる。
今回は友人らと訪問したので、小上がりに腰掛けた。
そばに味のある火鉢が。
寒い日には芯からじんわり温まる。
高円寺文学カレー「コクテイル書房」メニューなど
お品書きは原稿用紙に手描きされている。
こちらはドリンクメニューの、文豪サワー。
「ヘミングウェイサワー」と「中原中也サワー」がある。
中原中也の歴史には高円寺があったのか、と感慨深くなった。
こちらは日替わりのお品書き。
お酒にあう一品料理が多数。
江戸料理や、大正コロッケなど気になるメニューがたくさん。
こちらが「文学カレー」。
「太宰」と「漱石」がある。
どちらも店主の狩野さんが、本人をイメージして作られたカレー。
文章を読みながら、人物像や味を思い浮かべる。
何とも趣深い経験。
アルコールメニュー。
村上春樹の著書「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」に登場するウィスキー等が並ぶ。
文学ファンにはたまらないなぁ。
こちらもドリンクメニュー。
漱石が愛したというお酒、「白牡丹 純米酒」を揃える。
ソフトドリンクは、ジンジャーエールにすりおろし生姜が入っていたり、烏龍茶は茶葉から淹れていたりと、深いこだわりを感じる。
今後店内に「缶詰工場」が増設される予定。
昨今の情勢を鑑みた時に、非常食として「高円寺の食」をパッケージ化してゆきたいという店主の思いがあるそうだ。
こちらが缶詰工場のイメージイラスト。
カウンターの奥に、新たに設備を増設されるそう。
文学カレー「漱石」を実食
今回は、文学カレー「漱石」を注文。900円。
趣きのある和皿で素敵。
配膳されると、上の方から「ニャア」という声がした。
写真ではわかりづらいが、2階で飼われている猫が網の足場まできて、私たちが居る席に向かって一鳴き。
カレーの匂いに誘われて、出てきたのかな。
ちなみに2階は、本をストックしておく書庫の様なスペースになっているそう。
カレーを頂く。
トロっとした、玉ねぎを中心とした刻み野菜のコク深い甘みと旨み!
メニューに「生涯、胃弱と神経衰弱に悩まされた漱石のこころと身体に寄り添うスパイス」と書かれているとおり、全体的に穏やかで優しく、まろやかな味わいに仕上げられている。
じゅんわりスパイスと刻み野菜の旨味がこみあげてくる感じ。
そして牛肉がすごく美味しい。
厚めにスライスされたお肉がふんだんに入っていて、柔らかくジューシー。
しっとりと炊きあげられたお米に、トロりとしたルーとの相性が何とも良い。
いやー、美味しかった。
歴史の味が堪能できるというのは、とても素晴らしい体験。
食を通して、人や文学、歴史に寄り添うというのは何とも趣き深い。
今度は、文学カレーの「太宰」を食べさせて頂こう。
絶えずマイナーチェンジを繰り返し、新しい試みを続けられるコクテイル書房。
今後、缶詰工場の動きも目が離せない。
それではまた明日。
お店詳細
・お店の公式Twitter
・高円寺夜のミュージックマップ「WORLD’S END GARDEN」の掲載店です。