ツブサをご覧のみなさんおはようございます、ライター・ピアニストの伊藤夏希です。
高円寺に関わる“若者”にフィーチャーし、その人の生き方や考え、高円寺にまつわるエピソードを深掘りしていく連載「高円寺、若者たち」。
第5回目となる今回は特別編、我らがツブサの編集長であるシゲタさんです!
シゲタさんといえばInstagramをはじめとしたSNSの総フォロワー数約3万人、高円寺在住のライターであり、ツブサの編集長もされています。
穏便で温かいオーラを纏うシゲタさんですが、僕含め、シゲタさんの過去や考え方などを知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回、シゲタさんのことを深く知るべくインタビューをさせて頂くことに。
「インタビューされることなんて、そうないからねぇ」と、照れ臭そうに質問に受け答えするシゲタさん。
「街が人を作り、人が街を作る。」そう話すシゲタさんの言葉が特に印象的でした。
目次
街が人を作り、人が街を作る
――シゲタさんは高円寺を代表するといっても過言ではないくらい、高円寺を拠点にさまざまな活動をされていると思うのですが、そもそもなぜ高円寺なんでしょうか?
シゲタさん(以下、シゲタ):最初は全然高円寺じゃなくてよくて。元々サラリーマン時代の職場が淡路町だったから、丸の内線の新中野あたりに住みたいと思ったんですよね。でも家賃が高いのもあって、妥協して新高円寺に住み始めました。高円寺のことは全然知らなかったんです。一度遊びに来た事があったんですけど、その時は良さが全然わからず(笑)
――ええ!高円寺好きではなかったんですか(笑)でもそこから高円寺を好きになったきっかけが何かあったんですか?
シゲタ:完全に人ですよね、高円寺にいる人。元々コーヒーが好きなのもあってカフェによく行っていたんですけど、高円寺はカウンター席のあるお店が多くて、カフェもバーも。距離感も近いし。それである日お店の方に「おいしかったです」と伝えたら、「前も来てくれましたよね」って言ってくださって。それ以外にも、インスタの投稿で食事のストーリーをアップしたら、「この前ストーリーアップしてくれましたよね。ありがとうございます。」って反応してくださったり。
それからというもの友達に会いに行く感覚でいろんなお店に行くようになったんですよね、「こんなことあったから話聞いて!」って、ほんと友達に会うような感覚で。
――なるほど。ということは、そもそも人が好きというのが根本的にあるのでしょうか。
シゲタ:好きですね。しかし社会人になるといろんな人に会うじゃないですか。いくら話してもわかってくれない人とか、お互い生理的に合わないだとか。でも高円寺にいる人は、人間臭くて暖かい人が多いんですよ。仕事関係になったとしても、仕事以前に友達っていうか、そんな人たちでこの街が作られているような感覚があるから、なかなか高円寺から出られなくなっちゃいますよね。
――たしかに高円寺にいる人は人間臭くて愛おしく感じますよね。そういう高円寺にいる人たちの人柄を伝えたくて、WEBメディア「ツブサ」や自身のSNSで高円寺に関する発信を行っているんですか?
シゲタ:SNSをしていると、みんな流行っている飲食店やインスタ映えするようなお店に行くじゃないですか。
でもSNSで話題になるようなお店って外見ばかりに目がいきがちで、一時の流行だけで終わってしまうと思うんですよね。
はじめは私もそうしてましたけど、だんだん消費し続けるような発信ができなくなってしまって。流行には乗れないかもしれないけど、まだまだ知られていない魅力的なお店はたくさんある。でも飲食店自身も発信の仕方がわからないところがいっぱいあって、そんなお店の代弁をしたいと勝手に思ってるんです。
外見や味だけでなく雰囲気の良さとか、Wi-Fiがあって、料理を提供するオーナーや従業員の人柄とか、もっとそんな中身やストーリーを伝えていきたいと思ってます。「じゃあこの料理を作った、空間を作ったあの人がすごいんだな」とか、「このお店の人としゃべってみたいな」とか、単においしいだけでなく、その先にある店主の人柄なんかにも惹かれるようになるんです。要は人だと思っているので。
もちろん、メディアをしていくうえで映えや味も大切な情報ではあるからそういったことも伝えながら、それだけではないことも伝えていきたいと思います。メディアをしながらメディアを否定していきたいし、今後もそうして活動していきたいと思っていますね。
――なるほど…!ということは、そうした発信を行う原動力も“人”からきているのでしょうか。
シゲタ:私、パンクバンドのHi-STANDARDが大好きなんです。音楽は勿論、生き様含め全て。
メジャーを離れて自分たちでCD作って、グッズを作って、フェスまでやって。そういう姿勢含め大好きです。だから“ストーリーオタク”なんでしょうね。
話せるのなら色んな方とたくさんお会いして、お話ししてみたいと思います。
発信に関してはコロナ禍に入る前からSNSで行っていて、当時はタピオカが流行っていたことからタピオカのレビューを増やしていました。それからコロナ禍に入ったときに、「このままじゃ高円寺の飲食店がどこも終わってしまう」と真剣に思ったんです。
「高円寺の飲食店守らなきゃ!」って勝手に思い、ライターとしての不思議な使命感からコロナ禍に入って150店舗くらい高円寺のお弁当をテイクアウトし、レビューしました。あの当時は飲食店に国から助成金が出るかもわからなくて、本当に高円寺のお店が全部閉じてしまうんじゃないかと危機感がありました。そこから自分のWEBサイトを「(コロナでお店を)潰さない」に掛けて、名前を「ツブサ」にリニューアルしました。
だから「高円寺テイクアウトの情報をTwitterで見てました」と、未だに言って頂きますね。とてもありがたいことです。
――コロナ禍に入って自分のことでなく高円寺の街自体を考える人ってなかなかいませんよね、ある意味俯瞰的というか…
シゲタ:たしかに、主観的ではないのかなぁ。。ただ日本がこうして落ち込む中で、日本人皆が前向きになるには、やっぱり飲食店なんかを含めた街全体が明るくなることだと思うんですよね。
――なんだかライターの枠を超えた政治家のような考え…!そんなシゲタさんは今後どのような活動をされたいのか、将来の展望はあるんですか?
シゲタ:わからないんですよね。ほんとうに将来自分がどうなるのか、どうしたいのかよくわからない。でもその“わからない”を楽しんでいきたい。
1年前の自分だったら今の自分なんて想像できなかったし。。でもそれで今幸せだと思っているから、きっと1年後の自分も幸せだと思います。今生きているみんなも1年後のことなんてわからないから、わからないなりに悲観せずやるべきことをやるのみなんじゃないかなと。頑張っていれば大丈夫。
あとは絶対環境が人を作るし、いい人たちがいい街を作る。街が人をつくり、人が街を作ると思います。だからいい人とたくさん交流していきたいです。すべてにおいて経験値が足りないので、色んなところにも行きたい。そこさえ間違えていなければ、きっと未来も大丈夫だと信じてます。
シゲタ・プロフィール
シゲタ
ライティングクリエイター・ライター・編集者・動画クリエイター・SNS代行・ネットショップ支援
大阪千里出身の1984年3月生まれ。東京(高円寺)と香川(三豊)で2拠点生活を行う。SNS総フォロワー約2万人。EC(ネットショップ)店長・ディレクター職は10年以上。
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ライタープロフィール
伊藤夏希
1998年生まれ。宮崎県出身、高円寺在住。
武蔵野音楽大学演奏学科を卒業後、サラリーマン・ライター・カメラマン・ピアニスト・ピアノ講師・YouTuber・アートユニット「お通し」として活動中。
6月15 – 30日 写真展『この街で生きた、あの頃のこと。』
8月26日 ピアノ&サックスコンサート『seaside motel』
9月17日 ピアノソロコンサート『長月、思い出にするには勿体ない』を開催予定。
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