オラ!(スペイン語の定番挨拶)、高円寺在住グルメライターのシゲタツヨシです。
本日は、ハラユキさんコレボレーション後編です。
昨日の前編では、ドリンクを頂きながら「スペインごはん祭りや、スペイン料理について」インタビューしました。
まだ前編をご覧になってない方は、先にそちらをご覧ください。↓
今回は、ハラユキさんとスペイン料理を一緒に食べながら「スペイン料理やスペインについて」を伺ってゆきます。
それでは、後編もお楽しみください。
目次
ハラユキさんのプロフィール

イラストレーター、コミックエッセイスト。
雑誌、書籍、広告、TV、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。
2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。
著書に、『女子が踊れば!』(幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『うわばみ妊婦』(マイナビ)、『週末プチ冒険はじめました』(KADOKAWA)など。
秋には東洋経済オンラインの連載をまとめた新刊も発売予定
ハラユキさん。首に巻かれているのは、出版記念で作ったスペイン柄のオリジナル手ぬぐいをショールに作り替えたもの。
この手ぬぐいもイベント各所で販売中。
書籍「オラ!スペイン旅ごはん」も絶賛販売中!
新高円寺スペインバルGAUCHO・スペイン料理の注文の仕方









スペイン風モツ煮込み。

ちなみに、お店のおすすめは何ですか?

私の原点の料理なんです。
はじめて食べたスペイン料理が「イカの墨煮」なんですよね。
あとは、やっぱり「カジョス」。
「アサリの漁師風煮込み」もお薦めです。




皆さん頼まれます。
後は、スペインオムレツの「トルティージャ」。

ありがとうございます。

メジャーな「ヒルダ」でもいいなぁ。
ピンチョスの元祖と言われるものだから、是非食べてもらいたいなぁ。
シゲくんお酒呑まないけど、おつまみっぽいものでもいいですか?

食べたいです。


では今回の一品サービスはこのヒルダにさせて頂きますね。


スペイン料理を実食
1品目・ヒルダ





塩辛いアンチョビが柔らかくてジューシーで良いですね。
ギンディージャ(青とうがらしのピクルス)の程よいお酢加減と、青いオリーブの組み合わせが絶妙です。

これが一番シンプルで、これから色々凝ったピンチョスに進化したんですよ。




おそらく、酒のおつまみっぽい要素が強すぎるせいじゃないかと。。




ランチ向けに気軽に1人前で出せる日本でメジャーなスペイン料理って、意外とないんですよね。

うちは土日だけランチをやっていますけど。

ランチメニューは何を出されているんですか?

たいてい他のスペイン料理店でもそういうメニューです。
イタリアンのパスタを混ぜてるところもあります。

スペイン料理だけでやるのは難しいのか、イタリアンを混ぜるお店が多いですよね。
そうしないと成り立たないのかなぁ。
ランチメニューにしにくい問題を解決して、さらにノンアルの人を意識していかないと広まりにくいとは思いますね。
本場のスペインだと朝から晩のお店が多いけれど、日本だと晩のお店になっちゃうのはそういった所なんだろうなぁ。

さぁ他にもどんどん食べたくなってきました。
カウンターに美味しそうな原木があるし、生ハム食べたいです。


これはチョリソーとの盛り合わせになるんですか?

チョリソーは、「イベリコ・ベジョータ」というドングリを食べて育った最高級品質の豚を使ってるのでお薦めですよ。


2品目・生ハムとチョリソーの盛り合わせ





チョリソーは脂みがトロっと溶ろけます。
さすが高級なイベリコベジョーダですね。


生ハムの原木もランクが沢山あって、お値段もピンキリですね。
「イベリコ・ベジョーダ」の高価な原木だと、10万円くらいしますから。


話を聞いたら高級品の「イベリコ・ベジョーダ」だって!
すごいよね。


「ムッソ ソーヴィニヨン ブラン」をください。



魚介が大好きですしね。
米文化もあるし。
基本的には日本人に合うと思うんです。
ちなみにスペインの方は、猫舌で辛いのが苦手な人が多いらしく、そこは違いますが。


カジョスかもしれない。
マドリードとか内陸の方の料理ですね。

それ頼みたいです!


3品目・牛ハチノスの煮込み




牛ハチノスは、トロトロの部分とグニグニした食感が何とも言えないです。
ひよこ豆の食感も良くて、めちゃくちゃ美味しい!

スペインでは「カジョス」といって、イタリアのものより重くなるんです。
重いのは、よりお酒が進みますねw
私が住んでたバルセロナではカジョスが少なくて、マドリードとか北の方が多いイメージかな。

ガリシアは、味付けがもう少し軽くなります。
マドリードは内陸なので、こってりしていて辛さが強めですね。






血の様に赤いですよね。

「ノー・ティエネ・サングレ」って。
スペインは感情表現してなんぼなところがあるから。
それを「血がない」っていうのはスペインらしいなぁと思います。
さぁ、他にも食べますか?

あれ?パエリアのことを、「パエジャ」ともいうんですか?

「LLA」の発音が地方や人によって違うんですよ。
私の本ではパエ「リア」に合わせたけど、現地では私はパエ「ジャ」って言ってましたね。

じゃあ「魚介のパエジャ」ください。


あ、そうだ、ハラユキさんが今首に巻かれている手ぬぐいはどういった経緯で作られたんですか?


私、手ぬぐいが凄く好きなんです。
新刊が出る度に、必ずその本に合った記念手ぬぐいを作るんですよ。

フラメンコとかパエリアとか描かれてますね。

本にもフラメンコは大事な要素として登場するので、フラメンコをモチーフとして入れてみました。
ちなみに余談ですが、私はもともと日本を含むアジア文化の方が好きで、ヨーロッパには全然興味のない人間だったんです。
でもなんでフラメンコにだけは惹かれるんだろうとずっと不思議だったんですが、実は、フラメンコの源流のひとつにはインドが関係しているんですよ。


北インドの「カタック」という足を踏み鳴らす古典舞踊があるんですけど、それがフラメンコに凄く似てるんですよ。
それを知った時に、つながった!と感動しましたね。


それは農耕民族だから。
ヨーロッパは狩猟民族だから上へいくんです。
私はそういうふうに理解してます。


つまり、ひとりでアジアもヨーロッパも表現するw
それが踊るにはめちゃくちゃ難しくて、でもすごく面白いポイントなんです。

4品目・魚介のパエジャ




普通は少し長いお米を使うんですけど、日本のお米でも十分美味しいので、うちはコシヒカリです。

お米がパラパラでモッチモチですね。
あさりとムール貝などの海鮮もしっかり味が出てて、身がプリップリです。
チキンも柔らかいなぁ。


イベント自体をロングランにして、こういう時期に開催するのは画期的だねと言って頂いてますよ。

正直、運営自体は凄く大変なんですけど、やるからには楽しくしたいし、ここに関わって頂いている関係者さん全員を幸せにしたいと思ってます。
あと、能天気でハッピーな感じ?
今そういうのが足りないですよね。
なんだかよくわからないけど楽しいね、美味しいね、みたいなのが必要だと思うんです。

特に個展でお出しさせて頂くピンチョスは、楽しく悩ませて頂いています。
どうしようかなぁと。

ありがとうございます!



立ち飲みバルのデザートなんです。
高級素材を使ってる訳じゃない気軽なデザート。
全然日本では知られてないですよね。
そういうギャップも、個展ではイラストにしたいなぁと思ってるんです。




スペインでバスク地方以外の人に「バスクチーズケーキ」って言っても、何のことかわからないくらい。


その分外側はわりと黒くなるくらいまでしっかり焼いていますね。


スペイン料理店でも店によってそのあたりはかなり差があります。


そうか、バルで出されるんですもんね。

あとバスクチーズケーキが生まれたサン・セバスチャンという地域は、3つ星のお店でもバルでもレシピは基本全部オープンな地なんです。
おいしい店がレシピを隠さないから、街全体の食のレベルが上がって、世界でも有数の美食の街になったんですよね。


注文します。

5品目・バスクチーズケーキ



香ばしさがすごく良いなぁ。
中は滑らかなチーズ感。


私はこれくらいが好きです。

毎回凄く美味しいです。

有名な店のレシピがオープンになっていて、作り方がシンプルで、家庭でも気軽に作れるというのは、バスクチーズケーキの良さじゃないかなぁと思いますね。

パエリアとかは家庭で作るの大変ですけど。


一時期お弁当のテイクアウト販売をしていて、そちらを食べて頂いた方は、その後お酒を呑まないでご飯目当てに来ていただく方も多いです。
そういった方に来ていただけるようになったので、テイクアウトはやって良かったなぁと思っています。
お客さんが増えたことはとても嬉しいです。

本来のスペインバルは、すごい飲む人もいるし、夜にコーヒーを飲んでる人もいる。
飲んでも飲まない人も自由っていう文化がありますからね。

うちは高級店の様なすごい料理は出せませんけど、私の経験からそれなりのスペイン料理をお出ししますので、気張らず来て頂きたいなぁと思いますね。


最後にハラユキさん、どういう方にこの「スペインごはん祭り」を楽しんでいただきたいなどありますか?

あと、今は楽しむことに制限が多いですよね。
だからといって、うつうつとするんじゃなくて、この状況下で どう楽しむかだと思うんです。
感染対策を意識しながらも、絶対に楽しめるはずなので。
今回の祭であれば、イベントのポイントを増やすことで、密を回避して楽しむ計画をたてました。
とはいえ、私は強制的にこう楽しめとか言いたくないタイプだし、マップやチケットは用意したので、それぞれが思い思いのやりかたで楽しんでもらえたらいいですね。

ハラユキさんも貴重なお話を沢山ありがとうございました!

石田さん、ご馳走様でした!

お気をつけてお帰りください。
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新高円寺スペインバルGAUCHO・お店詳細
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何から頼めばよいとかありますか?