蔵前コーヒー「蕪木」は、自家焙煎、ネルドリップのコーヒーが頂けるお店。
店主の蕪木さんはコーヒー焙煎士であり、チョコレート技師でもある。
なのでお店では、Bean To Barでコーヒーに合うチョコレートを食べることができる。
蕪木さんがコーヒー抽出でネルドリップを使用されるのは、福岡の珈琲美美をはじめ、ネルのお店に強く影響をうけてこられた為だ。
コーヒー豆の油分まで落とした、濃厚でまろやかなコーヒーを頂くことができる。
お店店内は、珈琲を美味しく飲む為にすごく考え抜かれた空間作りをされている。
以前お店は鳥越にあったが、2019年12月に蔵前に移転された。
待望のお店再開、ということでさっそく蔵前のお店に伺ってきた。
目次
蔵前コーヒー「蕪木」外観
お店は蔵前駅から歩いて7分ほど。
元々そこにお店が存在していたかの様な佇まい。
蕪木の看板。
ここで、店主・蕪木さんの簡単な経歴をご紹介。↓
蕪木さんは、学生時代を岩手県の盛岡で過ごされ、喫茶店に魅了される。
珈琲専門店で技術を研鑽された後、株式会社ロッテでカカオ・チョコレートの研究と製品開発をされた経験を持たれている。
その後、2016年に「蕪木」をオープン。
2018年には盛岡で40年以上愛された喫茶店「六分儀」を佇まいそのままに「羅針盤」という名前で復活させた。
珈琲焙煎士でありチョコレート技師でもあるという方は極めて珍しい。
雰囲気のある重厚な木製扉。
ちなみに店内は撮影がNG(手元のみ可能)。
蔵前コーヒー「蕪木」店内
建物は2階建てになっている。
1階は物販(豆とチョコレート)とレジ、2階が喫茶スペース。
2階の席はカウンターが8席で、2名テーブルが3席。
店内は、空間作りが圧倒的。
使い古されたであろうブラウン木のテーブルや棚、白の漆喰壁。
歩けば少し音をたてて軋む床。
少し暗めの店内に、上から垂れ下がる無数の小さなオレンジライトがとても幻想的。
内装などは、左官屋さんに協力してもらいながら自分たちで作り上げられたそう。
蕪木さんがコーヒーを淹れておられるカウンター後ろには、一輪のお花が凛と咲いている。
BGMは、穏やかなピアノのインスト。
うーん、珈琲を美味しく飲む為にすごく考え抜かれた空間作りだ。
コーヒーとチョコレート実食・レビュー
コーヒーは、ブレンドは3種類で、ストレートはエチオピアが4種類。
イルガチェフ、ベンサ、シェカ、ヤンニハラール。
今回はデミタス・ヤンニハラール(750円)と、チョコのかもがや(200円)を注文。
珈琲を一口頂くと、おーなるほど、こういう表現かー!
まずまろやかにじわっとしたボディ感があって、そのあと放物線を描く様に酸味が鋭角に立ち上がって輪郭がはっきりした味わいになる。
苦味が結構強いなぁ、でも優しさも感じる。
風味はアーモンドとかヘーゼルナッツ感があるなぁ。
チョコレートは3かけら。
まろやかさの中に少しカッと浮かび上がる酸味がある。甘さは控えめだけど、苦みを強くは感じない。
ハイローストのナッツ感、干し葡萄感。噛み締めると、クキっとした食感が少し残してあって楽しい。
チョコレートを食べた後の珈琲は、よりじんわりした甘さをまとい、抜群のマリアージュになる。
いやー、美味しかった。
最後お会計の紙がないので定員さんに伺うと、なんとお会計の紙を丸めて、丸い輪っかに通したものを渡された。
ただのお会計の紙が、なんとも可愛らしい「包み」になった。
これを一回のレジに持っていく。
2階から1階へ降りる、帰り道まで素敵な演出だ。
コーヒーとチョコレートのマリアージュはさることながら、お店の空間作り含めて、凄いお店だ。
店内があまりに素敵だからとても居心地が良くて、お客さんは沢山だけど、いそいそした慌ただしい感じもない。
「珈琲」や「思い」が主役で、人や自分さえも黒子になってしまう様な不思議な体験だったな。
いやー、ゆっくりできた。
満足だなぁ。
また絶対来たい。
お店詳細
移転して間の無いので、詳細は「蕪木」のHPでご確認ください。