ライターのシゲタです。
タブチは、高架下にある財布に優しい大衆食堂のお店です。
高円寺好きなら、もはや説明不要の名店ですよね。
マジカルラブリー村上さん、アルコ&ピース平子さんなど今話題の「高円寺芸人」にも愛され、メディアで頻繁に取り上げられるお店ですが、先代の店主・田渕秀治さんは、もともと銀座の高級レストランでコックされていた事をご存じでしょうか。
修行を終えた後に田淵さんが開いたお店がレストランではなく、財布に優しく毎日行ける「大衆食堂」だった所に、いつの時代もブレないタブチの真髄や力強さがある様に思います。
いつも低価格を維持し、日替わりメニューは必ずサラダとみそ汁が付きます。
「たまに食べるお店」ではなく「毎日食べるお店」という、タブチのゆるぎないポリシーがある為です。
北のタブチ、南の味楽。
高円寺の双璧である、定食屋・味楽も同じ様なスタンスで営業を続けられています。
タブチの料理はどれも「昭和の懐かしい味」がしますが、お店がオープンしたのは実は平成元年。
そしてお店がある高円寺高架下、再開発に関するセンシティブな周辺事情。
今回はそんなタブチのことについて飲食レビュー含めご紹介します。
目次
高円寺ランチ安い「タブチ」赤のテントが愛くるしい!
タブチは高円寺駅から高架沿いを西に4分ほど歩いた、高円寺ストリート内にあります。
赤のテントと看板は味があり、派手ながら愛くるしいデザインです。
過去、ツブサ・スギナミの散歩企画でも、タブチをバックに撮影させて頂きました。
高円寺ストリートは、高円寺を代表するスナップスポットです。↓
高円寺ランチ安い「タブチ」高円寺ストリートの再開発について
「高円寺ストリート」とは、高架下西側の商店街です。別名、高円寺駅西商店会。
今後JRによる再開発で「高円寺マシタ」という名前に変わろうとしています。
高円寺ストリート東側の1番街から順番に再開発が進んでおり、2024年2月現在、2番街まで進んでいます。
タブチは、高円寺ストリートの6番街に位置します。
おそらく高円寺ストリートはすべて高円寺マシタに変わるのではないか、という予測は容易です。
となると今後タブチも例外でなくその対象となり、再開発の対象になってしまいそうです。
高円寺ランチ安い「タブチ」過去は中野に姉妹店があった
テントに「高円寺店」と記載があるのは、以前中野に姉妹店があった為です。
場所は中野レンガ坂で、2014年に建物の老朽化に伴い閉店。
レンガ坂といえば、今や中野屈指のお洒落エリアです。
そこに高円寺と同じ看板のタブチがあったのは、とても意外ですよね。
タブチ中野店があった場所↓
ちなみに中野店の方が、高円寺店より先にオープンしています。
オーナー同士がご兄弟で、お互い異なる修行の地で一人前になり、それぞれタブチを出店されたそうです。
高円寺ランチ安い「タブチ」今は奥さまお一人で店を切り盛り
タブチは、ご主人の田渕秀治さんと中国から来日した奥さまの玲さんと2人で営業されてきました。
残念ながら、秀治さんが2022年4月に他界され、現在は玲さんがお一人でお店を切り盛りされています。
玲さんがお店を続けるキッカケとなったのは、秀治さんが入院した際、お店に貼った休業のお知らせでした。
常連客がその張り紙に復帰祈願の寄せ書きをし、玲さんを勇気づけました。
そして玲さんが一人で営業する際は、常連客が積極的に手伝ってくれ、まるで家族の様だったそうです。
秀治さんが他界された後も、秀治さんの為に、そして秀治さんが愛したお客さんの為に、お店を一人で守っていくことを決意され今があります。
感謝を伝えたいお客さんが店前にノートを置き、お花を置き、秀治さんの写真を置き、今もなお寄せ書きが留まることはありません。
秀治さんがとても愛されていたことが伝わってきます。
高円寺ランチ安い「タブチ」商品価格とメニューについて
平成元年のオープン当時からほぼ変わっていない価格。
近年材料費の高騰の為、2023年12月に一部値上がりを余儀なくされましたが、この安さを見てください。↓
ほぼ50円だけの値上げでした。
ラーメン、カレーなど400円だったものが450円に。
高円寺で最安値な定食屋であるタブチは、高円寺の人たちの胃袋を支え続けます。
長年変わらない食品サンプルも趣きが◎
あらためてカレーライス450円は安い、、、!
高円寺ランチ安い「タブチ」サービスメニューは栄養バランスが〇
毎日通う常連さんがいる人気の秘密は、日替わりメニューのバリエーションでしょう。
メインご飯に必ず、みそ汁とサラダがつくのがポイントです
偏った食事ではなく、お客さんにバランス良い食事を摂ってもらいたい計らいです。
しかも600円という安さ!
ここに「毎日食べるならこういうお店にしたい」という強いポリシーを感じます。
日替わりメニューは毎日Xでポストされます。
高円寺ランチ安い「タブチ」注文は店外にある券売機で事前会計
注文は店外にある券売機で事前会計です。
券を持って店内に入り、店員さんに渡します。
以前壊れていた券売機も、修理されてもとに戻りました。
高円寺ランチ安い「タブチ」ラストオーダーは20時
お店は日曜がお休みです。地元や働いている方に利用されやすいお店。
ラストオーダーは20時で、晩御飯でも行けるのが嬉しいですよね。
高円寺ランチ安い「タブチ」店内にはさまざまな人間模様が
店内は4人掛けテーブルが4つ、2人掛けが1つです。
人が増えてくると相席になることもあります。
タブチの店内は、市場の食堂や、下宿先の休憩室の様な雰囲気を感じます。
作業着姿の男性。
着崩れたスーツのサラリーマン。
近所に住んでるおじいちゃん。
休日で寝巻き姿のカップル。
観光している若者。
お金がない学生やミュージシャン。
人種のるつぼ。
哀愁漂う人間模様が垣間見え、ドラマの世界にいるかの様です。
芸能人にも愛されるお店で、頻繁にテレビで取り上げられています。
高円寺ランチ安い「タブチ」2023年にファッションブランドとコラボ
こちらは2023年9月に発売されたファッションブランドNAVE×タブチのコラボアパレルです。
壁に飾られています。
高円寺ランチ安い「タブチ」出来たらテーブル番号で呼んでもらえる
食券を渡したら空いている席に座ります。
テーブルには番号が振られていて、料理ができたら「1番さんW盛りお待たせしましたー」と呼んでもらえます。
カウンターに受け取りにきました。
大きいお皿!美味しそう。
高円寺ランチ安い「タブチ」牛丼&カレーW盛り合わせの実食レビュー
タブチといえばこれ!
牛丼&カレーW盛り合わせです。
牛丼とカレーライスを一度に食べられる、夢のようなメニュー。
長さ36cmの大皿に盛られたビッグサイズ。750円。
一見、料理面積の広さにビックリするのですが、お米の盛りは牛丼の方に寄っているので小食でなければ食べられる量かと思います。
福神漬の、赤がまぶしいです。
タブチには赤が似合います。
みんな大好き、カレーライス。
The 欧風。
辛くなく、まろやかさとよく煮込まれた玉ねぎの甘み。
子供でも食べられます。
まるで学食のカレー、懐かしさがこみ上げます。
高円寺はカレーの街でもありますが、タブチのカレーはスパイスカレーでもなく、インドでも洋食っぽさもない。
日本カレーの源流は、もはやこれではないか?と思うほどです。
高円寺の街にとてもフィットしています。
ノスタルジーで、ひねりがない直球さに強い信念を感じます。
そして、ゴロリじゃがいもがなんとも嬉しい。
続いて反対側の牛丼へ!
牛バラたっぷり、ほどよく甘味があって、全体的には醤油の薄味です。
玉ねぎのクニっとした食感が良いですね。
牛丼チェーンといえば濃い味わいが多いですが、タブチは優しく家庭的です。
最後は勿論、カレーと牛丼を豪快に混ぜて頂きます。
卓上の一味唐辛子も少しかけると、味変になって心地良く最後まで飽きずに食べられます。
大きなお皿ですが、無理することなく難なく完食です。
最後はお皿を返却口に返します。
高円寺ランチ安い「タブチ」変わりゆく周辺景色の中で先住店へ最大限のケアを
同じ高円寺ストリートにあるバー・フライハイトが、高円寺マシタへの再開発の為、2024年3月10日閉店になることが決定しました。
お店は創業37年。
諸般の事情と書かれていますが、再開発の関係で間違いないでしょう。
5番街にあるお店までも、テナント更新ができない状態になってきました。
タブチの周辺環境の移ろいがとても顕著です。
高円寺高架下の再開発は、写真奥から徐々に手前側に進んでいます。
この高円寺らしいごみごみしたカオスな高架下の風景が、新しい景観に塗り替わってしまうのは時間の問題でしょう。
平成元年からずっと、高円寺民の胃袋を支え続けているタブチ。
再開発は、そこで生活する人にとってとてもセンシティブな問題です。
波風立たずにこれからも淡々とお店が続いてゆくことを願いたいですが、新しい環境に変わるのだとしても、歴史を繋いだ先住店への敬意や実績を忘れず、ケアしてもらいたいと心の底から思います。
高円寺ランチ安い「タブチ」お店の詳細
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