ライターのシゲタです。
今、東京中心にとても勢いがあってお店をどんどん展開している「ちゃん系ラーメン」。
「ちゃん系」とは「神田・ちえちゃんラーメン」「新宿・えっちゃんラーメン」の様に、名前に●ちゃんがつく系列店です。(※高円寺・ともちんの様に例外あり。)
懐かしい中華そばベース(喜多方ラーメンを彷彿)ですが、豚の旨味と脂濃いめ、塩分強めでB級感がある前のめりなラーメンが食べられます。
「ちゃん系」がユニークなポイントは、店構えやラーメンに使う麺は同じなのですが、店によって味が違うところです。
本来、暖簾分けやチェーン・フランチャイズ問わず、全店どこに行っても同じ味と価格である方が効率的で、お客さんの信頼を得やすいことがチェーンストア理論に基づくはずですが、ここはそれをしません。
それぞれのお店が独自の味を追求し、地域特性を活かして発展している所がとても活気的!
そして「ちゃん系」を語る上で外せないお店が、今回ご紹介する「高円寺・ともちんラーメン」です。
今では人気店ですが、お店が2021年5月オープンしてから一年ほどは、客の入りにとても苦戦している様子でした。
そこからのテコ入れが見事で、名物店長の投入、味と価格の変更を幾度となく繰り返し、ラーメン好きや街の人に愛されるお店へと変わってゆきました。
そこからは快進撃は止まらず、ともちんファミリー(系列店)を「中野・邦ちゃんラーメン」「小滝橋・クマちゃんラーメン」「新橋・ニューともちんラーメン」とどんどん増やしています。
今回はそんな、ともちんラーメンのことや「ちゃん系」のこと、オープン当時の高円寺の街を考察し、ラーメンレビューもしてゆきます!
ともちんラーメンのしょっぱ旨さは、私に「涙の苦労」を思い起こさせます。
人気店へ駆け上るストーリーをどうぞ。
目次
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」ちゃん系とはそもそも何ぞや?
あらためて「ちゃん系ラーメン」とは何?ということですが「ちゃん系」とは「神田・ちえちゃんラーメン」「新宿・えっちゃんラーメン」の様に「●ちゃんラーメン」という店名で、東京中心に15店舗近く展開する系列店です。
「ちゃん系」のお店で修業した人が、のれん分けでお店をオープンしています。
のれん組合をまとめるのは、一号店である「神田・ちえちゃんラーメン(2020年6月創業)」です。
そして「ちゃん系」は「新宿・すごい煮干ラーメン凪」が展開するセカンドブランドでもあります。
企業は「イメージを付けたくない」という思いがあり、あえて公にしていませんが、ラーメン好きは周知なことなのでここではこっそり。。
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ともちんラーメンがオープンした2021年5月は「ちゃん系」の情報がほとんど出回っていなかったので「ともちんラーメンって何だ??」「謎の黒船ラーメンがきた!」と、友人と高円寺のカフェで盛り上がった事を覚えています。
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」ちゃん系ラーメンの定義とは?
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「ちゃん系」は各店で味が違いますが、最低限の定義があります。
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店舗にある「ちゃんのれん組合」のカレンダーに記載があります。
- スープは縁までなみなみ
- チャーシュー切り立て
- ラーメンライス最高峰
- もり中華スライス玉子
- 麺は中太平打ち高加水麺
メニューでこれらを満たしていれば、他は自由にOK!というわけです。
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」外観は赤のド派手!な看板が目印
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赤い看板に白抜き文字で「中華そば」と「もり中華」メニューの二本柱が書かれています。
真ん中には「珍」の文字。
白い暖簾には、高円寺。
「ちゃん系」の外観は、ほぼ同じデザインです。
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」幾度となく変更された中華そばの価格
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中華そば750円。
2024年2月となっては、周辺店舗の中で最安値に近い価格となりました。
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ともちんラーメンの中華そばの価格は、一度大きく値下げされた経緯があります。
900円(オープン当初)→730円→750円(2024年2月現在)
オープン当初、デフォルトラーメン900円という価格に、私の周辺からは「高円寺価格じゃないよね。」という声が聞こえていました。
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」高円寺価格というローカルワードの流行
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高円寺価格とは、ズバリ「高円寺の人は、安い価格じゃないと買わない。」というローカルワードです。
特にコロナ禍「高円寺価格」という言葉が、飲食店中心に街中で流行りました。
ともちんラーメンがオープンした2021年頃、高円寺には他にお洒落な飲食店がどんどん増えたと同時に、高円寺再開発の議論が盛り上がった頃でもありました。
この言葉は「かっこいい、汚い、安い、落ち着く」の様な、従来の街のイメージを守りたいステレオタイプ寄りなものだったと推測します。
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」お店の立て直しで対応したこと
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ともちんラーメンがオープンして一年、お店が苦戦する中大きなテコ入れを実行します。
それは見事なものでした。
- 「新宿・えっちゃんラーメン。」を人気店にした経歴がある、名物社員バンタム氏が店長として着任
- ラーメンの味を変更し、よりアグレッシブな味わいになって劇的に美味しくなった
- デフォルトラーメンの価格を大幅値下げ(900円→730円)
他にも、朝ラーを始めるなど数多くの施策を実行されます。
周辺店のチェックやお客さんの意見など、真摯に耳を傾けられたのが十分伝わるものでした。
一度ついた飲食店のイメージを払拭することは並大抵のことではありませんが、ともちんラーメンはそれを見事にやってみせ、ラーメン好きや街の人に深く愛されるお店へと変わってゆきました。
そこから快進撃は止まらず、ともちんファミリー(系列店)を「中野・邦ちゃんラーメン」「小滝橋・クマちゃんラーメン」「新橋・ニューともちんラーメン」とどんどん増やしていきます。
それと当時に私は、ともちんラーメンを通して「高円寺=安くなければいけない」というイメージが先行する中、高円寺でお店を根付かせることの難しさを深く考えさせられました。
「高円寺価格」という言葉に囚われて利益を得づらく、苦労している飲食店を他に沢山知っているからです。
街のイメージや価格帯など、街にもっと多様性と幅があって良いのではないかと感じます。
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」PayPayなどのQRコード決済可能!
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お店は、店外にある券売機で事前会計します。
ラーメンには珍しくQRコード決済できるのがとても嬉しいです!
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」ライス無料が嬉しい!
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ともちんラーメンは、なんとめしが無料です!
750円、めし付きは信じられない価格感ですよね。
「ラーメンライス最高峰」なだけあって、ラーメンにめちゃくちゃ合いますよ。
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めしが欲しい場合は、券売機下にあるプラ券をとって、券と一緒に渡します。
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」店内はぐるりコの字カウンター
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店内はぐるりコの字カウンターです。
店内もオープン当時から改装されています。
以前はコの字が2つありました。
作業効率上げる為に、様々な対応がとられてきました。
店内のBGMはビートルズが流れます。
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セルフの給水機横には、紙エプロンとヘアゴムもあります。
ともちんはラーメンの油分多いので、はねたら致命的です。
女性に嬉しいサービスですね。
ショップカードにいる豚は、ともちんラーメン広報キャラクター「ぶーちん」と「こぶーちん」です。
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」卓上調味料が豊富!味変が思いのまま
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卓上調味料は、ンモーッHOT(辛味噌)、コショウ、唐辛子、お酢、にんにくなど豊富です。
味変を無限に楽しめます!
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」めしはなんとお代わりもできる!
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めしは国産米で、お代わりまで無料です!
ちなみに河童のキャラクターは「カッパちん」です。
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ラーメン来る前に、カッパ漬けを乗せてスタンバイです。
一口、二口はいってしまいますね。
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」チャーシューは切りたてを提供!
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チャーシューは提供される前に一枚一枚丁寧に切って入れてくれます。鮮度が命。
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評判のチャーシューは、おみやげに持って帰ることも可能です!
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」中華そば実食レビュー!
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チューシュー麺が到着です!950円。
チャーシュー麺で1,000円を超えず、ライスまでついてくるのはお得感がすごい。
スープが並々に注がれていて、受け皿付きで提供されます。
スープはピシッと油膜が張られて熱々です!
見た目は澄んだ清湯・淡麗の醤油で、喜多方ラーメンを彷彿させます。
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豚清湯スープは豚の濃い旨みと塩味が効いていてパンチがあります!
スッキリながらコクもあり、ジャンクなB級感も。
油膜が貼っているので、最後まで熱々です。
ザクザクと粗目に刻んだネギがたっぷり盛られて辛みのアクセント。
シャキッとしています。
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麺は、中太平打ち高加水麺です。
表面ツルっと舌触り滑らかで、食感はチュルチュルモチモチ。
柔らかい平打ちがスープによくからみます!
メンマは懐かしい佇まいながら細くて固め。
よく味が染みています。
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手切りチャーシューは、ロースの乱切り・切り落としです。
大小さまざま沢山量が入っていて、豚の旨味がガッツリです。
赤身が少し多めで食べ応えがあります!
しょっぱめの味付けでガツンと旨い!
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」味変はなんといってもニンニク!
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半分くらい食べたら、味変です。
なんといってもニンニクがお薦め!
みじん切りのにんにくは、豚の濃い旨味に、よりエッジがかかります。
シャープでキレよい味わいに。
しっかり味わいが変わるので、まるで違うラーメンです。
更に胡椒を入れるのいいですね!
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」もり中華も実食レビュー!
引き続き、もり中華もレビューします!
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こちらが価格です。
小・中・大サイズがあります。
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今回注文したのは、中盛り950円です。
麺を締める工程があるので、中華そばより提供に少しだけ時間がかかります。
ああぁ、こっちも旨いんですよ、、、!
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つけ麺なので、もちろんスープが濃いめ!
ごくごくっと飲むことはできますが、単体ですべて飲むのは辛いかな?という濃さ。
あいかわらず、豚清湯スープは豚の濃い旨みとしょっぱい塩味が効いています。
スッキリながらコクが強い。
何度食べても塩みが丁度良いですね。
盛り中華のスープには、ゆで玉子スライスと茹でもやきゃべが入っています。
玉子がスープに溶け出す感じもなんとも良いです。
もやしキャベツの食感も良い。
スープが濃いめなので、茹で野菜で味わいが薄まっている感もありません。
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多加水平打ち麺が水でキュッと締められていて、熱々スープに半分ほどつけて口に入れた時の温度コントラストが最高です!
中華そばより更につるつる感が増し、また違った舌ざわりが楽しめます。
平打ち麺の時折感じる冷たい部分が、のど越し感をより一層気持ちよくさせてくれます。
もちもち感が心地良い。
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」ライスはチャーシュー丼にしても最高!
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ライスに、チャーシューを乗せて濃いめスープをかけるのも最高です!
チャーシューのキン!とした塩味とカッパ漬けのマイルドな塩味が相まって、最高に美味しいんですよね。。
それぞれしょっぱさの角度が違って、カッパ漬けが良い箸休めになり、ライスがとても甘く感じます。
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」特上中華そばはチャーシュー増量と海苔と煮卵がトッピング!
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別日に「特上中華そば」を頂きました。
中華そばにチャーシュー増量、海苔5枚、煮卵が1つトッピングされています!
ちなみに「上中華そば」は、海苔と煮卵半分がトッピングになります。
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玉子は、もり中華と同じゆで玉子です。
こちらはスライスされずにそのまま出てきます。最近流行の半熟もいいですが、完熟もあらためていいですね。。
更に、海苔の溶け出したところの豚の旨味たっぷりスープがたまらなく旨いです。
そして食べ進めるととても満足感があります。
これはもう、ご馳走レベルですね。超至福です。
頂いた日は出張先の香川から帰ってきたばかりで、ともちんの特上を食べた時は満足感で泣きそうになりました。
高円寺に帰った時は無性にラーメンが食べたくなります。(あとタイ料理も。)
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」食後にはアメちん食べましょ
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食後は入り口の近くに、アメちんがあったので頂きました。
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」ラーメンのしょっぱ旨さは、涙の苦労を思い起こさせる
チャーシュー麺がライス無料で950円は、今のご時世破格です。
一度大きく値下がった訳ですが、昨今原価が著しく高騰している中、値上げになる可能性は高いでしょう。
高円寺の土地柄に合わせてチューニングされた、一杯の味わい。
「高円寺=安くなければいけない」というイメージが先行する中、今のラーメンの味と価格にたどり着くまで、お店の努力は並大抵ではなかったことが容易に想像できます。
ともちんラーメンのしょっぱ旨さは、毎回私に「涙の苦労」を思い起こさせます。
未食の方や、オープン当初一度だけ行った方には、ぜひ再度味を確かめに行ってみてほしいですね!
高円寺ラーメン「ともちんラーメン」お店の詳細
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