吉本最弱芸人・おふろは、健康で文化的な最低限度の生活を「杉並で」営む権利を有する。 vol.2

吉本芸人おふろ
文章・おふろ(早崎 貴宏)
おふろ

ツブサをご覧のツブサーの皆様。

お疲れ様です。

杉並区で最低限度の生活を営まさせて頂いております、吉本興業所属「おふろ」でございます。

吉本最弱芸人・おふろは、健康で文化的な最低限度の生活を「杉並で」営む権利を有する。
左:早崎 右:井上

相変わらず事務所から認知されていない事もあり、二人共に「アルバイト・酒飲み・借金返済」の三角生活で人生を垂れ流しています。

さてこの度、左側の糸目男、
早崎の方が 借金650万円程 抱えている事が判明しました。

通常であれば “詰み“ と呼ばれる状態。

即お笑い活動を停止し、“希望“ の名を冠した大型客船に乗り込まなければまずい状態です。

しかし、そのほとんどの借金が心優しき “友人“ 達から借りている事もあり崖っぷちでゲームオーバーを回避しています。
(貸している本人達はブチギレているかも)

ただ、少しでも指先が触れる、もしくは息を吹きかけられようものなら一瞬でライオンキングよろしく崖下へと堕ちていく事でしょう。

心配しかありません。

そんな状況の中、早崎は感じていました。

「最低限度の生活に達していないのではないか?」

日々、追いつかない返済、認められない苛立ち、回らないパチンコ。
様々なストレスが僕達を取り巻いている。

圧倒的に捌け口が足りていない。

ストレスの捌け口とやらが。

そんな精神状況だと返せる物も返せなくなる。
どうにかせねば。

皆さん、僕達が一番忌み嫌っている熟語 “ 自業自得 “ はちり紙に包んでポイしてください。

その中で一つの解決策が浮かびました。

そうだ、たばこを始めよう。

京都感覚で思い立ったこの所業。

大巨漢の井上は吸っているのか吸われているのか分からない程のヘビースモーカーですが、大借漢の早崎はベビー級のノンスモーカー。
肺の美しさはサワガニが住めると言われるほど。

クズのマスト項目である喫煙をしていない事に気付いた早崎。

「だからストレスが溜まるのか。他の借者(しゃくじゃ)達は喫煙する事によって精神を保っているってな話ね」
喫煙を開始するには充分過ぎる推察。

時間だけは掃いて捨ててもう一回拾うほどある我々ですから、思い立ったが吉日。
そうと決まれば早歩きで買いに行きます。

ただ30歳過ぎて初めてのたばこをコンビニエンスストアに捧げたくないのが人情というもの。

という事でやってきましたのがこちら

こばやし米店・煙草店

「こばやし米店・煙草店」さん

高円寺の煙は全てここから生まれると言っても過言ではありません。

早速入店すると出迎えてくれる数々のたばこ達。

こばやし米店・煙草店店内

「ほら、僕を吸いなよ。気持ちよくなれるよ~。」
「いやいや私を吸いな。見た事ない世界へ連れてってあげるよ。」

陳列されているたばこ達が早崎に囁いてきます。

が、ベヒーモス体型ヘビスモの井上が一蹴。

「この辺はハッパやからお前には無理よ。」

白昼堂々の告白。
いや、指摘。

紙巻きタバコなので初心者向けではないとの事。
もう少し穏やかな言い方はできないものでしょうか。

井上曰く、最初はジャケ買いで良いとの事。

キムタクに憧れて喫煙を始めた奴の言い分とは思えませんでしたが、ジャケ買いという響きが大好きな早崎。

ならば普段から革命を待望している早崎が選ぶのはこれしかありません。

Che。チェの3mm。

男子ならば誰もがこのチェの顔に憧れを抱いた事でしょう。

時には部屋のポスターに。
時にはスマホの待ち受けに。
Tシャツを着た事だってあったでしょう。

早崎にとってはそれが煙草だっただけ。

何も恥ずかしい事はありません。

それを見た井上の顔がこちら

感情が読めませんがお腹が空いている事は確かです。

吸うものが決まればあとは喫煙所へと移動し、肺を煙で染めるだけ。

最もベターなのが高円寺駅前ロータリーの喫煙所ですが、あそこは全国屈指のクレイジースモーカーの集いし聖地。
こん棒一本で魔王へと挑むようなものです。

そこであらかじめ目を付けておいた、高円寺あづま通り「アクアショップ高円寺富士ストア」さん横の喫煙所へ移動し喫煙童貞を捧ぐこととしました。

初めての瞬間は感慨深いもの。

地を這いながら生活する二人も天を仰ぎます。

覚悟を決め、喫煙を試みるが一人では火を点けることもままならない早崎。

二人の友情を確かめるように井上から火を貰い受けます。

こうして喫煙者の仲間入りを果たした早崎。

深呼吸をするように煙を体内へ誘い、タンポポを飛ばすように空気中へと放出。

少しむせながらも心地良い苦さが口内を満たし、ストレスで緊張していた細胞を解きほぐしていく感覚に包まれていきます。

これには笑ってる場合ではない二人もニンマリ。

無事にストレス発散という目的を果たす事が出来た二人。

こうして僕たち”おふろ”はまたも大いなる高円寺の地にて「杉並区で最低限度の生活」を有させて頂きました。

昨今、喫煙者に対する様々なプレッシャーが高まってきている中での喫煙開始。
金銭的な不安を危惧する方も多い事でしょう。

しかし、喫煙による費用対効果を考えればその不安は杞憂。
このたばこ分のお金を遥かに上回る労働の原動力となる事を確信しました。

そして何より喫煙所で繰り広げられているたばコミュニケーション。

それによって生まれている仲間意識。
この輪の中に参加出来る悦び。
そこでは社会的な地位は反映されず、吸って吐いてを繰り返すだけ。
そうする事であらゆるストレスから解放されます。

決して現実逃避ではありません。決して。

どこかの喫煙所でお会いする事もあるでしょう。
その時は是非、火を分けてください。
そして出来れば、お金を貸してください。

ありがとうございました。



※次回の更新予定は、6月初旬頃を予定しております。

プロフィール

おふろ

写真左:早崎 貴宏(はやさき たかひろ)

1990年5月26日 ふたご座 AB型 右投右打
吉本興業所属 お笑いコンビ”おふろ”として活動中。
小学生の頃に兄の影響で野球を始め、大学の野球部で相方の井上と出会う。
現在は、父の影響で始めたパチンコで抱えた借金を返済しつつお笑い活動をしている。