こんにちは。
杉並区、特に高円寺の街や銭湯が大好きすぎて、銭湯の近くに引っ越した女
よしだあさみと申します。
普段はしがないDTPメインのデザイナー、ときどきミニチュアペーパークラフトで、高円寺の好きな建物をはこ型の作品にして公開しています。↓
https://www.instagram.com/tiny_tiny_box/
文章を書く仕事ではない一般人であるものの、当メディア編集長・シゲタさんから
「よしださんのSNS見てると、この街を見る視点が独特なんだよなぁ~」とオファーをいただき寄稿することとなりました。
また今回「ツブサ」にライター陣が加わるに伴い、各企画の看板バナーデザインとディレクションもさせていただきました。
伝えたい内容をわかりやすく、柔らかく伝えるをモットーにデザインしております。
この企画ではそんなデザイナーのよしだあさみから見た杉並の、ちょっと王道じゃない(?)魅力をお伝えしていきます。
大衆的な人気・バズる・インスタ映え以外の隠れたスポット紹介などを通して(個人的には十分映えているつもりなのだが……)創意工夫によって、街の魅力を見つける楽しさを感じていただければ幸いです。
お金や何かを多く持っていることに限らない「豊かな活動」という意図から、
財布がなくても楽しめる=「杉並さいふなし旅」と名付けました。
それでは早速。
初回は、高円寺~阿佐ヶ谷アート散策編!
この記事を参考に杉並の街を別の視点でも楽しんでみてはいかがでしょうか?
目次
阿佐ヶ谷散歩・街角アルファベット採集
高円寺から阿佐ヶ谷の高架下や住宅街など一見何気ない道にも「それ」は潜んでいる。
私の好きな活動のひとつが、風景の中にアルファベットをみいだして撮影する
「街角アルファベット採集」だ。
看板やシャッターの味があるプリント文字ももちろん好きなのだが、この活動はどちらかというと意図的でない偶然のアートなところに価値がある。
壁にポスターを貼るときにテープを貼り、それが剥がれた跡の部分にアルファベットをみつけるひとり遊びだ…。
なんともたまらない。
例えばこちら↓
「O」型
一番オーソドックス。
※O型の場所(目安です。)↓
そして、、
「I」型
より頑丈にするため、中央にも一本テープを加えている。
※I型の場所↓
この辺りはもうコレクション済みなので、そこまで心はときめかないものの、劣化した素材の質感に萌えることもある。
大文字の「I」は激レア!など自分の中でランクを決めて採取していくと、言ってしまえばただの汚れにすら価値を見出すことができるのだ。
他にも、、
「ハ」の字、サイコロの「四」や「五」の目など
自分なりに型を分類していくと、アルファベット以外にも色々なバリエーションがあるので探してみると楽しい。
阿佐ヶ谷散歩・街角ミュージアム
アルファベット採集に近い活動として偶然のアートだけに特化して採集する活動を
「街角ミュージアム」と呼んでいる。
デザイナーという職業柄か、美術館で表現を見るのはもちろん好きだが、コロナ禍の人数制限もあるし、有料チケットなので経済的にも時間的にも毎日のように行けるわけではない。
しかし、近所を散歩しながらアートを感じるなら無料!しかも見放題。
なんとありがたい。
そんな視点で街中を散歩していくと、面白い風景に気づくことができる。
例えばこれは、阿佐ヶ谷の中杉通りにある歩道橋。
下記の写真、一見ただのサビと劣化に見えるが
トリミングしてみると、、
まるでプラネタリウム
無数の星屑が、ただのサビの写真を熱心に撮影する私を優しく照らす……。
何か珍しい昆虫でもいたのかしら?という周りの視線は見えないふり。
通行の妨げにさえならなければオーケーだ。
※プラネタリウムの場所↓
そしてそのすぐ近くには小学校。
一見可愛らしい子どもが遊んでいる壁画。
近寄ってみると、、
なぜか「予備ブレーカー」の文字
なんと数奇な運命を背負わされた子どもだろう。
改めて見ると、心なしか体勢も辛そうでどこか哀愁すら感じさせるではないか。
※予備ブレーカーの場所↓
子ども系はかわいいながらにツッコミどころがあるのも良い。↓
豪速球すぎないか?ポイ捨て禁止ポスター
ユルかわいい「JR」文字
※剛速球ポスターの場所↓
こちらは野菜シリーズ。
阿佐ヶ谷エリアを抜け高架下へ向かうと、、
さっきまで調理していた人参かと見紛うポイント
道端のごみが大きなカブに見える
※人参の場所↓
高架下には、、
中国古典に出てきそうなおじいさんに見えるサビ
※おじいさんは、高架下のどこかです。探してみよう↓
雨のシミは、、
絵画のように、ゆるやかな模様
ワニの帽子
他にも、、、
似たような外観のレトロマンション
街角ミュージアムの楽しみ方は無限大。
ここまで読んだ皆さん、心配しないでください。
あまりにも素朴なひとり遊びだが
美術館にいくお金も、ちゃんとあるんですよ。笑
ただ、こういう何気ない日常にも
おもしろさを発見できることって豊かじゃないか。
そう私は思っている。
杉並区はこういうテクスチャを存分に含んだ風景が、他の街よりも豊富な気がして
私にとっては街全体がとても無料とは思えないアートミュージアムなのである。
アートの考え方について
先日2021毎日デザイン賞を受賞した、染色家・柚木沙弥郎さんの言葉を引用させていただくと
「僕はアートというものはまず人生を肯定することだと思っています。(中略)自分を肯定して、何か一つでも面白いと思うことやものを見つける。それを積み重ねていけば、楽しい人生ができるんじゃないかと思うから。人から教わるのではなくて、自分で発見するということですね」
ー『柚木沙弥郎 Tomorrow/インテリアブランド「IDEE」 ディレクター・大島忠智』(ブルーシープ)より
https://www.instagram.com/p/Ca64euwFbLM/?utm_source=ig_web_copy_link
というのにとても共感している。
アートという視点に立って、感覚をひらいて街を見てみると、いつもは気づかなかった魅力や
それを楽むことができる自分という存在をも、再発見できるのだ。
はじめのうちは、例えば今日は「猫に見えるシミを探そう」、明日は「鳥に見える跡を探そう」など
自分なりのテーマを決めてみるのもおすすめだ。
さて、次回は究極のさいふなし旅!
杉並でよくある「ご自由にお持ちください」の紹介でもしようか。
(※不法投棄は違法行為ですので、あくまでもご自身のエリアでゴミは正しく出そう)
今後も杉並の無料で遊べるスポット紹介や、廃材を使ったアート作品制作など
あらゆる角度から「さいふなし」の気持ちで楽しめる、私なりの杉並の魅力を紹介できればと考えている。
※掲載しているマップの場所は目安です。聖地巡礼したい方はゆるっと周辺を探してみてください。
探しているうちに、自分なりのもっと面白い発見があることでしょう。
次回は、4月後半に更新予定です。
ライタープロフィール
よしだあさみ
高円寺在住のデザイナー
杉並の街の銭湯・サウナ・純喫茶・古いものをこよなく愛し、ぶらりと散歩、観察する。
幼い頃から工作(特に紙)が好きで、創意工夫によって生きる力を培う教育の大切さを広めたい人。
デザインした工作キットを使った、高円寺の街に関するワークショップの活動も行う。
いつか高円寺アパートメントの片隅なんかで、いつでも遊べる工作ビュッフェのような
しかけ絵本ワークショップができるカフェ空間を創りたいとひっそり夢見ている。
情報を編集し、わかりやすく視覚化して伝えるデザインにやりがいを感じる。
・note(もっと自己紹介)
https://note.com/asamix1231/n/n554252bdb3f0
・folio(お仕事一例)
https://www.foriio.com/asamix068
・Instagram(はこ作品)
https://www.instagram.com/tiny_tiny_box/