岡山喫茶店「折り鶴」精神性を感じる深煎り、珈琲美美インスパイア

折り鶴 珈琲美美の系譜・インスパイア

岡山コーヒー「折り鶴」は自家焙煎・深煎り・ネルドリップのコーヒーが頂けるお店。

店主の藤原さんは、珈琲美美の故・森光さんと一緒に、コーヒー視察の際海外を数か国まわられた。
森光さんのシビアな一面を傍でしっかり見て来られた方だ。

珈琲美美の過去記事↓

今は閉園してしまったブラジル「カルモシモサカ」の豆を、現行の「トミオフクダ」に切り替えて、一心に珈琲道を進まれている。

藤原さんの焼く豆は、凄く深煎りでかつクリアに飲める一杯だ。
東京では頂けない味。

私は藤原さんのことが大好きで、美味しい深煎りを頂きながら、
コーヒーについてお話をお伺いするのが大好きだ。

そんな折り鶴さんでコーヒーを頂いてきた。

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岡山コーヒー「折り鶴」外観

岡山コーヒー「折り鶴」外観

岡山駅にあるどでかいイオンから、折り鶴に向かう。
今日また折り鶴に行けるのかー!と思うと心がめちゃくちゃ弾む。
前回飲んだブラジル・トミオフクダめちゃくちゃ美味しかったんだよなー。

前回訪問した際の内容↓

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岡山 日帰り出張編! 岡山駅近くにある折り鶴で珈琲休憩。 前から行きたいと思っていたお店に やっと訪問する事ができた。 折り鶴の店主 藤原さんは、 福岡にある珈琲の銘店 珈琲美美の故・森光さんの弟子にあたる方。 正確にいうと藤原さんは 美美で働かれていた訳ではなく 森光さんの海外出張の際などに、 頻繁に同行されていたらしい。 イエメンやガテマラ、ケニアなどの国に同行され、 内ではなく、外向きのシビアな森光さんを 間近で見てこられた方。 そんな方が店主をされている珈琲店が 岡山駅近くにある。 まず、折り鶴の店舗外観だが、 マップがなければ確実に通りすぎてしまうw なぜなら「折り鶴」という立て看板がない。 入り口の扉横に、折り鶴の小さなモニュメントが あるのみ。 扉を開けると店内は薄暗く、 大きな木のカウンター席がある。 洗練されているけど、どこか懐かしさもある お洒落な落ち着いたバーの様だ。 お店で頂くメニューはコーヒーのみで、 すべて一杯540円。 とてもとても安い。 まず席に着くと、店主の藤原さんに 「どんなコーヒーをご希望ですか? 薄いコーヒーですか?それとも濃いめですか?」 と聞かれるので、 濃くて、お出汁の様な感じのコーヒーを下さい、 と注文した。 少し悩まれた後持ち場につかれ、 ネルドリップでゆっくり抽出頂く。 淹れて頂いている間、 カウンター奥に目を移すと、 4枚の写真立てが飾られていた。 コーヒー界の偉大な先人である 襟立さん、標さん、森光さん、ヤン二さんだ。 この方達に見られながら、藤原さんは毎日毎日 コーヒーを淹れてるんだなぁ。 この方々は全員、なんの因果か67、8歳で 亡くなられている。 コーヒーを極めたこの年齢に一体何があるんだろうか、 とボンヤリ思いにふけってコーヒーを待った。 大倉陶園のカップで提供頂いたコーヒーは、 モカかな?と思ったら、意外なブラジルだった。 ブラジルの 完熟・トミオフクダ。 今ある豆のなかで一番の深煎りらしい。 コーヒーとは別に、チェイサー用の薄めの コーヒーと、お茶うけの和三盆を提供頂いた。 一口コーヒーを頂くと、 うわぁ!うまいぃ。。 はじめて飲む珈琲だ。 . 焙煎度はかなり深い。 煙の香りが結構入ってる。 煙がここまで入ると 私は苦手なはずなんだけど、 なぜか飲めてしまう旨みがある。 飲んだ瞬間にまろんと香ばしい香りが上がり、 そこから中域の太いボディがグォーっと 迫ってくる。 ボクシングのストレートパンチを みぞおちに喰らっちゃった様な、 真芯を捉える強さを感じる。 ここまで深煎りなのに なぜかスルッと飲めちゃうのは、 抜群のキレがあるから。 藤原さんが仰るには、 このキレは酸味からくるものらしい。 ふぇー、そうか。。 . もう一杯、 モカで美味しいものを頂きたいです、 とお願いしたら 「じゃー、イブラヒムモカをだそうか」 とのことで、ワクワクして待つ。 一口頂くと、 おー、こちらも結構深煎り! さっきのブラジルより、 外にパーっと広がる華やかさがある。 音符の和音みたいに、 スパイシーな香味と甘みの全音符が バーっと鳴り続けて広がってゆく感じだ。 どちらもすごく美味しかった。 ここまで深煎りでボディが強いのに スッキリ飲めてしまうのには、 終始驚きが隠せなかった。 藤原さんとはコーヒーを飲みながら、 色んなお話をさせて頂いた。 中でも一番印象深かったのが、 「(写真立てを指差しながら)ここにいる 襟立さん、標さん、森光さんは 全員師弟なのに、全員全く違うコーヒーを淹れた。 彼らは淹れ方や味を継承した訳じゃなく、 考え方や生き方を継承したんでしょうね。」 という話だった。 藤原さんが言うと深すぎる。 藤原さんはその正当な流れを汲まれていて、 最高のコーヒーを提供して下さった。 私の様なヒヨッコにも、何でも丁寧に 教えてくれた。 藤原さんがここまで良い人なんだったら、 写真の皆さんもすごーーく良い方達 だったんだろうな。 偉人達のコーヒーを飲んで、 コーヒー話を伺ってみたかったな。 なんだか歴史を感じる深い味だった。 #シゲ珈琲 ←まとめてます #岡山 #コーヒー #折り鶴 #ストレートコーヒー #ネルドリップ #深煎り #ドリップコーヒー #ブラジルトミオフクダ #イブラヒムモカ #珈琲 #岡山グルメ #岡山カフェ #岡山駅 #コーヒー好き #コーヒー焙煎 #コーヒーのある暮らし #コーヒーのある生活 #コーヒー好きな人と繋がりたい #カフェ巡り #カフェ好き #大倉陶園 #珈琲美美 #森光宗男 #なんち #襟立博保 #吉祥寺もか #標交紀

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しかし岡山駅は活気があるなぁ。
人が多いし、車もめちゃ多い。
.
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お店は岡山駅より歩いて3分ほどの、喧騒外れた場所にある。

朝の11時ちょうどに着いたらまだ開いてなくて、外から店内をじーっと覗いていたら、店主の藤原さんが店内から急いで出て来られて、お店を開けてくれた。
すみません。。

岡山コーヒー「折り鶴」折り鶴モニュメント

「折り鶴」という店名が書かれた看板はなく、折り鶴のオブジェが飾られている。
なんとも粋でお洒落。

岡山コーヒー「折り鶴」静かに珈琲を飲む店

店内は「静かに珈琲を飲む店」だ。
食べ物はない。

岡山コーヒー「折り鶴」店内

岡山コーヒー「折り鶴」店内

店内はカウンター6席ほど。
和の雰囲気があって、木の重厚感があって凛と澄んだお店作りになっている。

カウンター上には、福岡・珈琲美美や東京・大坊珈琲店関連の本が並ぶ。

カウンターに着くと、店主の藤原さんが「今日はどんな珈琲を飲まれますか?」と聞いてくださるので、
「今日は2杯頂きたいので、まずあっさりしたものをください」と伝える。

岡山コーヒー「折り鶴」藤原さんのネルドリップ

藤原さんによるネルドリップ。

いつ見てもかっこいいんだよなぁ。。
前回来た時に藤原さんが珈琲を淹れている時、口がぶつぶつ動いているのを見ていて、
「ん?何を言っておられるんだろう。。」と気になっていた。
それを確認する為に藤原さんの近くに席を陣取ったのだけど、やはりわからなかった。
ドリップしながら自分と向き合いながら微調節されているのか、
珈琲の偉大な先人の方々とお話をされているのだろうか。

コーヒー2種類の実飲

岡山コーヒー「折り鶴」エチオピア・イルガチェフ

まず提供されたのはエチオピア・イルガチェフ。
コーヒーはすべて1杯550円。

カップは大倉陶園。

早速一口頂くと、おぉ、あっさりゆったり。
モーニングの1杯目にはぴったりだなぁ。。
クリアで飲みやすい。

酸味はあまり感じなく、ボディも緩やかにまろやか、水の様に透きとおってる。

折り鶴さんで、こういう角度の浅煎りは新鮮だなぁ。
濃厚な深煎りだけじゃないんだぞ、ということを改めてお伝えしたい。

岡山コーヒー「折り鶴」和三盆

コーヒー一杯につき、丸い和三盆の砂糖菓子がついてくる。
お茶請けにぴったりだ。

次は、お待ちかねの「しっかりした深煎りをください」とオーダー。

岡山コーヒー「折り鶴」完熟トミオフクダ

出されたコーヒーは、ブラジル・完熟トミオフクダのしっかりめ抽出。

これが飲みたかったんだよなぁ。。。

岡山コーヒー「折り鶴」完熟トミオフクダ・チェイサー

濃厚なコーヒーを提供される際は、コーヒーをお湯で2倍に薄めたチェイサーを用意される。

「はじめこのチェイサーを少し飲まれてから、コーヒーを飲んでください。コーヒーが濃いと思った際のチェイサーとしてお使いください。」と言葉を添えて頂く。


チェイサーを少し含んだあと、コーヒーを頂くと、おーー、濃厚深煎り!
煙の香りが十分入っているけど、ここまでクリアで飲みやすさがあるのは改めて不思議だ。
旨み存分、苦味の内側から甘味の香りが広がって、華やかに昇華していくのは物凄い。

いやー、美味しいなぁ。
これが飲みたかったんだ。。

その後、藤原さんとコーヒーの話を沢山した。

ブラジルのコーヒー豆「カルモシモサカ」の味に魅せられてコーヒー屋をはじめられたこと。
しかしそのカルモシモサカの農園が閉園してしまって、あの味が2度と手に入らないことに郷愁があること。
シモサカさんに「今後豆何を使ったらいいですかねぇ」と相談したら、今のトミオフクダを進められたこと。

コーヒー屋さんの味には、それぞれ歴史がある。
特に藤原さんは「一杯のコーヒーだけでお店は判断できない。なによりも精神性が大事。」と仰る方だから、私は話をお伺いするのが大好きで、毎回手に汗握るくらい話が盛り上がる。

藤原さんの言葉にはいつも重みがあって、その反面少し寂しそうな気配がある。
そこが何ともかっこよくてセクシーなんだよなぁ。

ちなみに藤原さんの3大メンターは、
「珈琲美美・故森光さん」「カルモシモサカ・シモサカさん」「日本ネルドリップ珈琲普及協会・繁田さん」
だそうだ。


「日本ネルドリップ珈琲普及協会の店」過去記事↓

この3名のお話をお伺いするだけで、もう充分本にできるなぁと思った。


いやー、今回の訪問も最高だった。

岡山コーヒー「折り鶴」物販

レジ横の物販。コーヒー豆だけでなく、ペーパーフィルターなども販売されている。

岡山コーヒー「折り鶴」コーヒー豆リスト

コーヒー豆のリスト表。
地方発送もして頂ける。

岡山コーヒー「折り鶴」完熟・トミオフクダの豆

帰りには、トミオフクダの豆を購入した。

これで家でも存分に楽しめる。


いやー今回、九州・中国地方と周ってきて、最高のお店ばかりだったな。
福岡は今回周ってみて行きたいお店が逆に増えたし、山口も岡山も行きたいお店が増えたw

また旅をしに来なきゃ。

明日からは東京の投稿に戻ります。


ではまた明日。

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お店詳細