福岡喫茶店「珈琲美美」ルーツを追い求め続けた先の、極上モカ

珈琲美美 珈琲美美の系譜・インスパイア

福岡コーヒー「珈琲美美」はネルドリップ、自家焙煎・深煎りの珈琲が頂けるお店。

お店創業者の森光宗男マスターは2016年12月、韓国での珈琲教室から帰国の際にお亡くなりになられた。
享年68歳。
その後お店は、奥さまの充子氏が引き継がれている。
宗男マスターは亡くなられる2年ほど前から何かを察知されていたのか、奥さまに珈琲焙煎方法を教えられていたという。
それがあったからこそ、今も美美は存在しえている。不思議なことだ。

故・森光宗男氏は、今はなき吉祥寺の珈琲店「もか」 の標交紀氏の元で、5年間コーヒーの基礎を学ばれた。
その後、福岡天神にほど近い今泉に8坪ほどの小さなコーヒー店をオープン。
2009年に今の赤坂のお店に移られている。
コーヒーのルーツをずっと探求されてきた方で、エチオピアやイエメンに実際に行かれて「より古いコーヒーの木はないか?」と現地の方に聞いてまわられたという。

起源である「モカにはじまる」コーヒーとはいったいどんな味なのか。

奥さまの充子氏が淹れるコーヒーがどうしても頂きたくて、福岡までやってきた。

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福岡コーヒー「珈琲美美」外観

福岡コーヒー「珈琲美美」外観

お店は赤坂のけやき通り沿いにある。

以前美美は同市の今泉にあった。
お店が手狭になった点と、けやき通り沿いエリアを前から気に入っておられ、タイミングよくお店の設計士さんがお店の空きを伝えられたことをきっかけに、2009年ここ赤坂に移られた。

周辺環境は護国神社、福岡市美術館、 大濠公園や福岡城跡もあり、緑に覆われたとても雰囲気の良いロケーションだ。

福岡コーヒー「珈琲美美」入り口

お店入り口。

ちなみに「珈琲美美」の店名は吉祥寺「もか」の修業中に出会った秦秀雄氏に決めてもらったもの。

福岡コーヒー「珈琲美美」2階が喫茶室です

1階は焙煎室・物販・お会計で、2階が喫茶スペースになっている。

福岡コーヒー「珈琲美美」ねるっこの看板

誰でもネルドリップコーヒーが簡単に淹れられる、森光宗男氏が監修された「ねるっこ」ポスター。

福岡コーヒー「珈琲美美」店内・1階

福岡コーヒー「珈琲美美」1階店内

お店に入って直ぐは物販・お会計エリアになっている。
店内に入ると「喫茶利用でしたら2階へどうぞ」とスタッフさんに促される。

福岡コーヒー「珈琲美美」コーヒー豆

美美では、コーヒー生豆を一度水洗いしてから焙煎するという、特別な手法を取られている。

福岡コーヒー「珈琲美美」コーヒー豆ショーケース

こちら豆売りのショーケース。
吉祥寺「もか」(2008年閉店)より譲り受けたもの。

次写真「もか」の店内↓

福岡コーヒー「珈琲美美」吉祥寺もかの店内
今はなき吉祥寺「もか」の店内。盛岡の珈琲店、機屋で拝見したポストカード。

おー、確かにコーヒー豆のショーケースが一緒だ!
「もか」が「珈琲美美」に変わってる。
歴史が語ってるなぁ。。

福岡コーヒー「珈琲美美」焙煎室

コーヒーの焙煎室。
こちらも吉祥寺もかより受け継いだ焙煎機。
独自のカスタマイズが施された、半直火半熱風併用式5キロ窯。

今はなき吉祥寺「もか」の焙煎機。盛岡の珈琲店、機屋で拝見したポストカード。

すごいなぁ。。この焙煎機までが受け継がれてきてるんだもんなぁ。

福岡コーヒー「珈琲美美」階段

階段を上がって2階へ。
可愛らしいイラストに促される。

福岡コーヒー「珈琲美美」中味が人気

階段踊り場にもイラストが。
「Bの中味がにんきです。」

福岡コーヒー「珈琲美美」店内・2階

福岡コーヒー「珈琲美美」2階カウンター

2階の喫茶スペース。
こちらはカウンター席。

現店主の充子氏がいらっしゃる。

福岡コーヒー「珈琲美美」2階テーブル席

こちらはテーブル席。

このテーブルと椅子も「もか」より譲りうけたもの。

次写真「もか」の店内↓

福岡コーヒー「珈琲美美」吉祥寺もかテーブル席
今はなき吉祥寺「もか」の客席。盛岡の珈琲店、機屋で拝見したポストカード。

おーほんとだ、一緒。
特徴的なフレームの椅子とテーブルだからわかりやすい。

福岡コーヒー「珈琲美美」2階から見える風景

窓から外を眺めると、沢山の緑が。
とても良いロケーションだ。ほっとするなぁ。

福岡コーヒー「珈琲美美」メニュー

福岡コーヒー「珈琲美美」メニュー

こちらメニュー。

「美み美ごと 美ミは風土にあり。」

福岡コーヒー「珈琲美美」メニュー・ブレンド珈琲

こちらブレンド。
Aからだんだん濃くなる。
一番人気は「中味ブレンド」。

福岡コーヒー「珈琲美美」メニュー・ストレート珈琲

こちらストレート。
濃厚なデミタスもある。

福岡コーヒー「珈琲美美」メニュー・濃いデミタス珈琲、バリエーション珈琲

こちらは濃いデミタスと、バリエーションコーヒー。
フルーツケーキもある。

福岡コーヒー「珈琲美美」森光充子氏によるネルドリップ

現店主の充子氏による「滴一滴」と慎重に淹れられる点滴ドリップ。

後ろから、宗男氏がそっと見守られている。

福岡コーヒー「珈琲美美」森光充子氏によるネルドリップ・手元

今回はデミタスを注文したのだが、デミタスカップにそのまま抽出するスタイルには驚かされた。

抽出は、全体的に点滴で蒸らしてから、あとは中心の泡にそーっとお湯を注ぎ入れていく感じ。

福岡コーヒー「珈琲美美」ねるっこ

カウンター奥には珈琲抽出器具、ねるっこが。

コーヒーとフルーツケーキの実食

福岡コーヒー「珈琲美美」ゴールデンハラールとフルーツケーキ

今回はゴールデン・ハラールのデミタス(1,000円)とフルーツケーキ(400円)を注文。

マットな黒と内側金の大倉陶園デミタスカップが、めちゃくちゃかっこいい。
ゴールデン・ハラールのコーヒーを表すのにぴったりのカップ。

福岡コーヒー「珈琲美美」ゴールデンハラール

さっそくゴールデンハラールを頂くと、うおゎ!じんわり内側から次々溢れ出てくる豆の旨み成分!
ぬんめり蜜のようなふくよかさ。
少し枯れたヴィンテージ感のあるキリっとした酸味。
そして全体的にはきつくないほんわか丸い優しさ。

びっくりした!美味しいなぁ。。


ちなみにゴールデンハラールは、森光氏の師匠のお店(吉祥寺もか)で振舞われていた「標モカ」と同様の豆。
豆が黄色いことで有名で、現在はここ美美でしか頂けない代物だ。
森光氏が師匠の標氏にゴールデンハラールを持って行った所、それを大層気に入られたらしく、標氏の代表するコーヒー「標モカ」になったらしい。
森光氏は、モカ全体の発展を考えられていたのだ。

福岡コーヒー「珈琲美美」フルーツケーキ

フルーツケーキは、しっとりした生地食感で甘さ控えめ。
お酒の香りがするドライフルーツが沢山入っていて、大人な味。
食感や味わいがひとつひとつ楽しいなぁ。
デミタスに合ってすごく美味しい。

コーヒーもう一杯頂こ。

福岡コーヒー「珈琲美美」イブラヒムモカ

次は、イブラヒム・モカのデミタスを注文。1,000円。

おー、こちらはザ・イブラヒムの味わい!わかりやすい!
生薬の様なピリピリした心地よい酸味のスパイシーさがあって、力強く荒々しさがある。
ボディしっかりでふくよかなボディだが、しっかりエッジが効いてとても良いなぁ。


いやー、全部もの凄く美味しかった。
友人が中味ブレンドを飲んだので、そちらも一口頂いたら、ボディは軽めで飲みやすく、終盤甘みがじんわっ!と上がってきてとても美味しかった。

福岡コーヒー「珈琲美美」会計表

こちらお会計表。

「だるまさんが転んだ。」
こちらも宗男マスターが手書きされたもの。

美美のロゴには、何度転んでも起き上がるダルマがモチーフになっている。
ちなみに、テーブルの上に置いてあるコロンとしたシュガーポットもダルマがモチーフになっている。

あと、美美はWi-Fiも完備。
わー、すごいなぁ。
お客さんは女性の若い方や学生さんもいるもんなぁ。
そういう方がちゃんとターゲットになっている。


いやー、良い一日だった。
美美をしっかり満喫できたなぁ。

何と言ってもゴールデンハラールが美味しすぎたなぁ。。
あぁ、何度でも飲みたい。。

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お店詳細