阿佐ヶ谷カフェ「黒猫茶房」優しい時間が流れる喫茶店。無化調カレーとオレグラッセ【きっさんぽVol.4】

阿佐ヶ谷グルメ

「ほっと一息、一杯のコーヒーをどうぞ」

こんにちは。
ねこばか街歩きライターのたっちゃんです!

街を深く面白く伝える『きっさんぽ』
今回は猫好きとしては見逃せない『黒猫茶房』さんです。

阿佐ヶ谷駅北口から徒歩4分、飲兵衛たちのブロードウェイことスターロードの奥にある黒猫茶房さんは、30年以上の時間が磨き上げたネルドリップコーヒーとオリジナルインドカレーが味わえます。

マスターの好きを形にした個性的な空間は常連さんもご新規さんも肩ひじ張らずにくつろげる不思議な空間です。

今回はそんな黒猫茶房さんの魅力をご紹介していきます!

阿佐ヶ谷カフェ「黒猫茶房」ねこが迎える、ディープな通りのホッと落ち着くオアシス

夕方のスターロード、これから賑やかになってきます

お店のある阿佐ヶ谷スターロードは、酒好きには名の知れた名店『阿佐立ち』さんや『立ち飲み風太』さんなどが肩を寄せ合う飲み屋街です。

店内から漏れる笑い声の中、一番奥まで歩いていくと優しい色の建物の『黒猫茶房』さんがあります。


珈琲を狙う黒猫さん


珈琲専門店として2012年にオープンした黒猫茶房さん、店前ではそんな美味しい珈琲を黒猫が狙っています。
※本物の猫に珈琲は危険なので絶対与えないでください。


柔らかい光が漏れる扉を開けると、マスターが「いらっしゃい」と出迎えてくれました。

絵や楽器の飾られた店内、優しい明るさ



カウンター4席と喫茶店には珍しいこあがりのテーブル席が2つ、キラキラ優しい光を燦然と放つランプや店内に飾られた絵がとっても印象的です。


飾られている絵はマスター自身が描かれたもので、時折お店では、演奏会や絵の展示会もやられているそうです。
振り返るとなんとバイオリンや鳥箱も!

表紙の絵が可愛いメニュー表


表紙の絵はオーストリアの画家グスタフ・クリムトさんの絵です。

この方も猫好きな画家として有名でマスターが画集も見せてくれました。

クリムトと猫(写真左)と猫を抱くクリムト(写真右)
しっかり黒猫もいます


入口左手には画集や絵本など芸術にまつわる本が綺麗に平積みです。

絵や演劇好きな人は新しい出会いがあるかも。


メニューは珈琲を中心に、珈琲に合わせて作られたチョコレートケーキや、カフェ激戦区吉祥寺で修業を重ねて生み出したオリジナルインドカレーが味わえます!実は以前まで吉祥寺ハーモニカ横丁で『ガネーシャ』という名前でお店をやっていて阿佐ヶ谷でリニューアルオープンしたのが黒猫茶房さんなんです!


種類豊富な珈琲はマスターが若いころから表参道や吉祥寺で淹れ続けて30年、ネルドリップで淹れる本格派です。昨今の喫茶店には珍しく、アルコール入りのコーヒーもたくさんあるのも嬉しいポイント!

猫がおもちゃを追いかけて右左右左目を動かすように、メニューをめくっては戻りめくっては戻り、何を頼もうか迷いますね。


小春日和のこの日は、荻窪から和田堀公園、阿佐ヶ谷と歩いてきておなかペコペコだったので、チキンカレーと野菜カレーのハーフ&ハーフとオ・レ・グラッセを注文しました。

和田堀公園の桜

阿佐ヶ谷カフェ「黒猫茶房」体に優しい無化調オリジナルインドカレー

まずはセットのサラダ、彩り豊かで飾り切りされたニンジンが可愛く、ふいのお花見です。シャキシャキ野菜と野菜ドレッシングがいい塩梅で、カレーへの助走はバッチリ!


と、キッチンからもスパイスの香りが立ち上り食欲も湧きたちます。

天橋立(左)、相掛けカレー(右)

登場したカレーは京都の日本百景、天橋立のごとく、真っ白なお米で中央を分断された2種盛りカレー!
右には大ぶりチキンが入ったチキンカレー、左には深緑の中に紅一点、ミニトマトの小島が浮かぶほうれん草カレーです。

野菜カレーは季節で変わるので、その時々の旬も味わえるのもいいですね。
では冷めないうちにいただきます!


大ぶりチキンはしっとりほろっと、芳醇なスパイスの香りで辛いのかなと思いきやお味はとってもマイルド!ポイントは自家製ヨーグルトを使っているところで、辛いのが苦手な方もこれはイケそうです。


ほうれん草カレーはお豆のホクホク感とほうれん草の苦みをアクセントに野菜の甘さが際立つおいしさ!
小麦粉や化学調味料を使っていない体にも優しいカレーはすぐにお皿から消えました。

阿佐ヶ谷カフェ「黒猫茶房」熟練の技が紡ぐ美しい珈琲

綺麗な2層のオレグラッセ

食後にいただくのはオレグラッセ。
ところでオレグラッセとカフェオレは違う飲み物、ということはご存じでしょうか?

というかオ・レ・グラッセをだすカフェや喫茶店も見かけることが少なくなってきた気がします。


オレグラッセとは直訳するとフランス語で
『ツヤを出す牛乳』という意味。
その見た目はコーヒーカクテル『琥珀の女王』に負けず劣らず美しく、ミルクと珈琲が綺麗に2層に分かれることでその味わいもより重層的で楽しいものになるドリンクなんです!

似た見た目も相まって『琥珀のナイト』とでも名付けたい!

「ぜひ混ぜずに飲んでみてください」

というマスターのアドバイスをもとに、一口飲むと珈琲のほろ苦い味と豊かな香りがスッと広がり、続いてミルクのまろやかな甘みがやってきます。
最後に口の中でコーヒーとミルクが合わさり、一口で3段階のおいしさを味わえるのがオレグラッセの魅力です!

「作る時は気合いと集中だよ」
と笑うマスター。

綺麗な2層は、ラテアートのフォームミルクのように空気が入ってないので神経を使うといいます。


春の陽気に和田堀公園ではお花見を楽しむ人が増えたように、今日はオレグラッセが沢山出たそうで、私の後に2組来店したお客さんもそれぞれオレグラッセを注文。

3連続だと笑っていました。

阿佐ヶ谷カフェ「黒猫茶房」猫のお世話の大ベテラン!マスターの好きが詰まったお店

黒猫茶房、その由来はストレートにマスターが猫好きで黒猫が特に好きだからとのこと。

昔は傷ついた野良猫を保護、24年の天寿を全うするまで暮らしていたこともあるといいます。

吉祥寺で働いていた頃、産まれてすぐの子猫を保護したけれど当然仕事中家に置いていくわけにもいかず、子猫用ミルクをもって子猫と一緒に出勤、3時間おきに聞こえる子猫の「ミーミー」という鳴き声合図にお客さんに「ちょっとごめんミルクあげてくる」と断りを入れて育て上げたこともあるそうです。

まさかのミルクボランティアさんでした!

そんな店内には黒猫があちらこちらでくつろいでいます。私の隣でもきれいなランプを見上げる子が一匹。



この日は常連さんも来ていて、バレエの白鳥の湖の終わり方や、こぶとり爺さんは実は2人のおじいさんをくっつけて主人公のおじいさんが誕生したなど熱く語り合っていました。


実は白鳥の湖もヨーロッパ、日本、韓国などで文化の違いからエンディングも違うらしいので気になる人はぜひ調べてみてください!

阿佐ヶ谷カフェ「黒猫茶房」誰でもついゆったりしてしまう優しい喫茶店

個性的なインテリア、何となくインドっぽい??

閉店間際、お店を外国の青年がのぞいていると、マスターが外に出て「今日は終わっちゃんだ、ごめんね」と話に行きます。
そこから15分ほどマスターがブルガリアから来たというその青年とお店をDIYで作ったことや5月になるとお店の植木のバラが綺麗に咲くことなど2人で笑いながら話していました。

私が来る前、一組のカップルがいましたが、退店する時マスターと笑顔で話しながら出ていったがとても印象的。

『喫茶店きた』というより、『おいしい珈琲を淹れる知り合いのおうちにくつろぎに来た』
そんな感覚になる、落ち着ける場所です!


そんなマスターの好きが詰まった空間と人柄が、ご新規さんも常連さんも自然と落ち着ける場所を作っているんだ、なんだかそんな気がします。

味のある黒猫茶房さんの看板


「おいしいコーヒー飲みたいな」
「おいしいカレーが食べたいな」
そんな日はぜひ立ち寄ってみてはどうでしょう。

少し強面の猫好きなマスターが優しく
「いらっしゃい」と迎えてくれます。

散歩の休憩がてら
「ほっと一息、一杯のコーヒーをどうぞ」

ではまた次回も読んでくれると幸いです!黒猫のショップカード可愛い!

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阿佐ヶ谷カフェ「黒猫茶房」お店の詳細

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