吉本最弱芸人・おふろは、健康で文化的な最低限度の生活を「杉並で」営む権利を有する。 vol.5

吉本芸人おふろ
文章・おふろ(早崎 貴宏)
高円寺

ツブサをご覧のツブサーの皆様。お疲れ様です。

哀しいかな、引き続き杉並区で最低限度の生活を営まさせて頂いております。

吉本興業所属「おふろ」でございます。

左:早崎 右:井上

今月も生存確認ありがとうございます。
もしこのコラムが更新されなくなりましたら、お察しください。

恐らく高円寺駅前ロータリーに落ちています。

久しく茶色い紙幣を目にしていない我々は「アルバイト・酒飲み・支払い」の地獄のオフロードを走り続けています。


さて、8月に入り高校野球本番。
我々「おふろ」も野球少年だった頃を思い返します。
白球を追いかけ、汗だくになりながら握るバットが懐かしい。

今や追いかけるものは白球から銀玉へ。

脂汗をかきながら握るハンドル。
右打ちの意味も大きく変わってしまいました。

高校生が頑張る姿に胸を打たれながら打つパチンコ。

そうやってここ10年をまるで 人生の夏休みと勘違いし、時を消耗してきた我々もいい加減に気張らねば。


ってな訳で活動の一環として行っているYouTube撮影の一日をご紹介させて下さいまし。

この日はいつも撮影場所として借りているアパートの一室に集合。
(僕達が契約している訳ではなく、懇意にしていただいてる飲食店オーナーさんの部屋を貸してもらってます。
お金も借りてます。感謝)

この日に撮影する企画を話し合うも、全く進展がなく、挙句の果てには黙りこくり、お互いに責任をなすり付け合うことしか出来ない状況。

井上に関しては、己の快楽のみを求めて乳を揉み出す始末。
(井上がマルコメ頭である事は気にしないで下さい)


それもそのはず、二人はとってもお腹が空いていたのです。


腹が減っては何とやら。
戦があっても我先にと逃げ出す二人も例外ではなく、とにかくまずは腹を満たす事で合意。

ここで繰り広げられる緊急昼飯会議。
シンゴジラも真っ青の濃度と速度でどんなランチが良いかを激論。

先程までの沈黙が嘘のように、渇いた口から次々と飛び出す案という案。

ラーメンじゃないか?
いやこの暑さでは違う。
なら冷やし中華?昨日食べたばかりだ。
じゃあどんぶり系でサクっといくか?
もういい黙れ。
もっとスパイスの効いた事は言えねえのか。

もはやお互いの意見にNOを突きつけたいだけのマシンと化した有機物達。

このまま、今日は解散かと思われたその時。どちらからともなく、神の一声。

「カレー‥」

お互いの目を凝視したのち、言葉を交わすまでもなく、気付いた時にはスニーカーを履き外へと飛び出し、歓喜の声を上げながら向かった先。


それがこちら。

高円寺駅高架下、桃太郎寿司の並びにあるカレー屋さん「スパイスカレーMANTRA」

家を出る瞬間からカレーを食べると決めていたのかもと思わせるTシャツの井上


近くに感じるスパイシーな香り。

腹ペコどころか脳ペコにまで達している我々の鼻腔を刺激。

もし今、営業時間外と言われたなら違法行為も辞さないほどバーサーカー状態で店内へと入ります。

高円寺のカレー屋さんと言えば良くも悪くも、狭いが雰囲気があり、暑いがウマい。
デブ泣かせでお馴染みの間取りというイメージがありますがこちらは違います。

カウンターの端を陣取った我々ですが見て下さい。

黄色い肥満人と紺色の貧人(ひんじん)が並んで座っても余りあるスペース。

何と言っても涼しい!
国から言われるまでもなく、電気代節約の為に普段から家の冷房を切りまくっている我々にとっては天国にも程がある。

さらにお気付きいただけただろうか。

水がデカい!

ボブサップ専用ボトルですと言わんばかりの存在感。

出来るだけ水分を蓄えておきたい干涸びた生活を過ごす人間にとっては、おかわりの手間が省けてありがたい。Win-Win。


早速店長さんからメニューを奪い取り、どのカレーにしようかと舌舐めずりをする二人。

就職先に山賊を検討していた頃の鋭い眼光でメニューをガン見します。

ここで二人が選んだものは、平日限定3種盛りカレー。


限定というワードに弱いんだよね、食べ比べしてみたい。
そんなOLの4番みたいな思考ではなく”単純に多い方が良い”という超原始的思考。

そんな思考をしているせいか、メニュー表を撮影し忘れるという大失態。

井上がメニューを手にしたままアストロンを唱えている写真から読み取りましょう。
(見づらくてすみません)

更にタイミングよく入り、出来上がったばかりの「エビのビスクカレー」も参戦。

計4種の中から選べるという幸せカレー計画。

頻繁に「今週のカレー」が変更されるので行く度に楽しませてくれる色男、いや色カレーです。

まずは井上が頼んだ「エビのビスクカレー・鶏トムヤムキーマ・バターチキンカレー」

バース、掛布、岡田を彷彿とさせるラインナップ

エビのビスクは上品で居ながらどこか郷愁感のある甘さを演出、鶏トムヤムはスパイシーさで舌を刺激しつつキーマの心地良い歯触り、バターチキンの王道であり安心する滑らかさには井上も涙。

そして早崎が注文した「エビのビスクカレー・鶏トムヤムキーマ・ポークビンダルー風キーマ」

由伸、松井、マルティネス ”ミレニアム打線” を彷彿とさせるラインナップ

ポークビンダルーのクセになる香りと味。
付け合わせの野采が口内を程よくリセットしてくれ3種の無限ループに突入。
後半はビスクやトムヤムキーマとミックスさせ脳内麻薬を大量に分泌。

メジャーリーグでもやっていける重量打線に対し、我が情弱ファイターズがスプーンとフォークの二刀流で闘いを挑みました。

試合開始早々、味方のカレーを狙うような輩がいるチームが勝てるわけもなく、そもそもカレーに勝つっていうのが分かるわけもなく、とても美味しく味わいましたとさ。

こうして全身の血をカレーに変換した二人。

多幸感に包まれ、加齢臭を撒き散らしながらダッシュでアパートの一室へと戻り、撮影を再開。
それはもう有意義な撮影が出来たとか出来てないとか。

貧困を抜け出す方法はいくつかあると思います。

その中でも、誰もが気軽に始められ、誰でも上手くいきそうで、でも続けるのがしんどくて、すぐ波に乗る人もいれば、いつまでも収益化出来ずにいる人もいる。


僕達の貧困脱出を応援する方法、簡単です。

YouTubeだけでも登録してやって下さい。


以上、杉並で最低限度の生活を送っている”おふろ”でした。


※次回の更新予定は、9月初旬頃を予定しております。

プロフィール

写真左:早崎 貴宏(はやさき たかひろ)

1990年5月26日 ふたご座 AB型 右投右打
吉本興業所属 お笑いコンビ”おふろ”として活動中。
小学生の頃に兄の影響で野球を始め、大学の野球部で相方の井上と出会う。
現在は、父の影響で始めたパチンコで抱えた借金を返済しつつお笑い活動をしている。