新高円寺コーヒー「珈琲店長月」は、自家焙煎(手回しロースター)、ネルドリップ・点滴ドリップ、深煎りが頂けるお店だ。
店主の飯田さんは以前、今はなき恵比寿の名店「COFEE TRAM」でスタッフをされていた方。
元「COFFEE TRAM」の店主で現「珈琲屋うず」をされている古屋氏は、青山の名店「大坊珈琲店」に勤めておられた方なので、珈琲店長月も大坊珈琲店の系譜といってもいいのだろう。
珈琲屋うずの記事↓
飯田さんの淹れるコーヒーは、ボディが強いけど優しくて、素材感のある味わいだ。
私は長月のコーヒーを飲んでから、他のコーヒー店巡りをする様になったので、私にとってコーヒーの「起源」になる様な思い入れのあるお店だ。
今回は、中でも香りが特徴的なエチオピアのコーヒーと甘味のレーズンバターをレビューする。
目次
新高円寺コーヒー「珈琲店長月」外観
お店は新高円寺のルック商店街から少し外れた場所にある。
新高円寺駅からだと歩いて7分ほど。
店前には渋い木看板。
少しだけ開けにくい扉。
長月によく来られる方は、この扉に愛着を持たれる方も多いはず。
新高円寺コーヒー「珈琲店長月」店内
お店は縦に細長い。
ブラウン木のカウンターは席が5席。
二人席も窓側に一席ある。
コーヒーカップが入った茶箪笥。
至る所に「和」の雰囲気が入っていて素敵だ。
コーヒー豆を焙煎するときに使う、ユニオンの手回しロースター。
一度に500gの焙煎が可能。
新高円寺コーヒー「珈琲店長月」メニュー・コーヒー抽出
お店の一番おススメはブレンド。
ふつうの濃さでも一杯のコーヒーに豆を20g使用するので(通常家で淹れる際は、だいたい10gぐらいが目安)、ボディ感が強めだ。
うすめ、こいめなども選べる。
ストレートは日によってラインナップが変わる。
もし何を選んでよいかわからない際は、店主に聞くと親切に教えてくれる。
例えばスマトラ マンデリンだと、「そうですねぇ。。木の根っこのようなジメっとした味わいです」の様な、イメージで教えて頂けるところも面白いポイント。
ちなみに、豆は持ち帰りも可能。
最近、通販もはじめられたので、地方の方でも自宅で長月のコーヒーが飲める。
ミルク珈琲や豆乳珈琲などの飲みやすくてマイルドなものもある。
後は甘味で、「チョコレートテリーヌ」「レーズンバター」などもある。
点滴の様にケトルの先から「ポタッ」「ポタッ」とお湯を落とす点滴ドリップは、抽出姿が何とも美しく、息を飲んで見入ってしまうほど。
ネルドリップに使われるネルは、ペーパーよりも網目が粗く、豆の油分も一緒に落ちるので味が非常にまろやかだ。
抽出時間は約3~4分ほど。
抽出の終盤は点滴から糸に変え、味にすっきりさを持たせる。
香蘭社の素敵な和柄のカップに淹れて頂く。
デミタスは大倉陶園。
コーヒー(エチオピア)、レーズンバター実食・レビュー
今回はストレートのエチオピアを注文。700円。
一口頂くと、うわー、めちゃくちゃ華やか!
深煎りでここまで香りの素材を引き出すことができるということに驚愕。
ジャスミンやローズの様な華やかな香りが芳醇で、少しトロンとした液体はまるでお酒のブランデーの様。少し酔っぱらって顔が赤くなってしまうんじゃないか、というくらい熟成した旨味を感じる。苦味はあるけど「苦い」と感じず、コク深さを感じる。その後はチョコレートの様な香ばしい甘さがホワンと出てくる。
はぁ、めちゃくちゃ美味しい。
レーズンバターは、舌先でバターがジワっとトロっと溶ろける。
甘さ控えめで香り高いレーズンが良いアクセントになってる。
一粒でも結構濃厚で、舌で転がしながら珈琲を一口入れるとそれはもう至福。
コーヒーと一緒だとより甘さが増す。
珈琲とお菓子を食べて、1,000円を超えないところも嬉しい。
いやー、美味しかった。
店主の飯田さんとたくさんコーヒーのことを教えて頂いたり、世間話をした。
私は長月で美味しいコーヒーを知って、その後日本中たくさんのお店を巡ったけど、行き着くところはやはりこの味なんだよなぁ。