珈琲屋うずとLa chocolaterie NANAIROのイベント「珈琲とチョコレートの話」が 2020年1月25日、東京・日本橋の「 LIVETART コレド室町店 」で、行われた。
LIVETARTさんによるイベント紹介のインスタ記事は以下↓
私はこのアナウンスがあった当日に申し込んだのだが、すぐにどちらの部も満席になっていたので、非常に人気が高いイベントだった様子。
私は、14時~の部に申し込んだ。
イベント当日。
東京メトロ銀座線・三越前駅から降りてすぐの所にある商業施設「コレド室町」の2階に、会場のLIVETARTはある。
LIVETARTは女性もののアパレルなどを扱うブランドショップ。
会場はアパレルショップの奥のイベントスペース。
13時50分頃について、一番乗り。
先に受付で会費の2500円を支払う。
会場ついてしばし、うずの古屋さんにご挨拶・談笑。
うずのお店ではあまり今回のイベントをアナウンスしていなかった様で、お客さんはどちらかというとLIVETARTさんのお客さんが多いんじゃないかという話に。
あと、古屋さんの今年のテーマは「外に積極的に出ていく」ことだそう。
色んなイベントでお会いできるのが楽しみだなぁ。
ここが今回の会場。
奥にはカウンタースペース、手前は客席。小さな座卓が6つほど。
ちなみにお客さんは6名で、私以外は全員女性の方だった。
うずに来られたことがあるのは私含め3名ほど。
NANAIROさんのチョコレート目当ての方も多かった。
写真奥にいらっしゃるのは、NANAIROの西森さん。
座卓には、今回のイベント説明とNANAIROさんのチョコレートの説明が書かれた紙と、うずの古屋さんが印刷されてきた紙。
横にはNANAIROさんの1品目のペアリングチョコレート。
ちなみに古屋さんが持ってこられた紙は、「コーヒーとチョコレートのペアリングについて詳細」に書かれたものと「珈琲の淹れ方まとめ」をホッチキスでまとめた2枚。
この紙がめちゃくちゃ素晴らしい。
見た瞬間、古屋さんこんな詳細に書いていいの?と思ってビックリした。
特に「珈琲の淹れ方まとめ」の紙は、実際に古屋さんが珈琲を淹れられている5つの工程にわけて詳細が書かれたもの。
同業者の方や珈琲ファンの方はとてもビックリする内容じゃないかなぁ。
古屋さんに「この紙をネット掲載していいか」と確認したら案の定、辞めてほしいという意向を頂いた(w)ので、今回はなくなく掲載をカット。
時間ぴったりでイベントスタート。
左から、 LIVETARTの責任者の方、珈琲屋うずの古屋さん、 La chocolaterie NANAIROの西森さん。
LIVETARTの方が最初お二人を紹介した後は、主に古屋さんが進行をされる。
まずはNANAIROの西森さんが、自店の説明をされる。
西森さんが、 アメリカブルックリンのBea To Bar店「マストブラザース」のチョコレートを食べて衝撃を受けられ、はじめ趣味からチョコレート作りをされたこと。
はじめはパプアニューギニアのカカオ豆を使って、粒をなくすためにゴマすりを使ってチョコレート作りされていたらしい。
そのあとは広島大学に協力頂き、科学的な知見もいれてチョコレート作りを勉強され、5年かけてNANAIROのチョコレートを商品化するに至ったという。
NANAIROのチョコレートは最高品質を保つために一度に作るチョコレートの量を約30kgと限定し、生産番号をつけナンバリングしている。
その都度売り切りのため、昔のナンバーは二度と買うことが出来ない、というのには驚いた。
チョコレートに記載されている番号はそういう意味だったのか。
続いて、珈琲屋うず・古屋さんのお話。
まず手回しロースターで焙煎をされているという説明。
「珈琲屋をしたいという人がよく来るんですけど、その人に言うのは手回しは辞めたほうがいいと言ってます」ということを言われた。
「やはり機械の方が緻密に味が管理できるのでそちらをおススメする」とのこと。
「うちは変なお店です。」と笑いながら言われた。
NANAIROさんとのファーストコンタクトのお話が興味深くて、古屋さんが珈琲とのペアリングを探している時に、インターネットで「チョコレート 手作り」で検索したらナナイロが上に出てきて、直接電話で「どうやったらチョコレートって自分で作れるんですか?」と聞いたことが始まりだという。
その際、西森さんは古屋さんに丁寧に教えたそう。
当時、西森さんは古屋さんのことをご存じなくて、ネットで検索したら大坊珈琲店で元働かれていた凄い人だ、ということを後で知って驚かれたそう。
で、丁度古屋さんから電話がかかってくる同タイミングで大坊勝次さんからお手紙が届いたらしく「NANAIROさんのチョコレートは美味しいです。」の様な内容だったそう。
それらは、たまたまタイミングが同じだったとのことだが、
大坊さんは「手紙」で、古屋さんは「電話」でコンタクトを取られてきたことに、西森さんはそれぞれ個性があって素敵だなぁと思われたそう。
その後古屋さんは、やっぱり自分でチョコレート作るのは大変だからNANAIROさんにお願いしたというのが、事のはじまり。
あと、NANAIROさんのチョコレートの風味や酸味はすごく独特だから、それを古屋さんが普段焙煎している深煎りの豆でペアリングするとどうもうまくいかなかったらしい。
なのでペアリングのコーヒー用に別で若干浅煎りに焙煎され、使用豆を減らし湯量を増やした珈琲を提供されているとのこと。
強いこだわりを垣間見れる。
その後は、古屋さんが実際にネルで一杯目の抽出。20gで130~150cc。
豆はボリビアの深煎り。
ここで驚いたのが、古屋さんが抽出の工程を一つずつ話しながら淹れられたこと。
事前に配られた紙に即して、5段階にわけて説明された。
ふだんお店では淹れてる時はほとんど話をされないので、これには驚いた。
と同時に大変勉強になった。
まず一つ目のペアリング、ボリビア・ウォッシュド深煎りの珈琲と、NO40のチョコレート(Madagascar産カカオ豆70%・5月製作)。
古屋さん曰く「NO40のチョコレートはスモーキーさを伴ったコクと後からのぞくジューシーな酸味を感じるので、ボリビア豆のりんご飴をそのまま焼いたような香ばしく甘い香りと、味はあるが深煎りとしては軽めのボディ感でしっかりチョコレートをフォローしていくイメージ」とのこと。
さっそく珈琲をいただくと、うわ、うま!
モワンとまろやかで甘い。確かに蜜の様な甘さだなぁ。。
ボディがあるけど角が徹底的に取られて丸くてクリアだ。
スッキリしていて飲みやすいなぁ。
ペアリングのチョコレートを頂くと、ほー、クッとした酸味を感じる!
風味はウィスキーの様に独特な芳醇さがあるなぁ。
これがジューシーさってやつか。
品があって華やかなチョコレートだ。
うーん、独特なペアリング。
チョコレートにはどちらかというと「甘さ」を求めてきた私としては、 風味と風味が寄り添うペアリング感覚は何ともエキサイティングで面白い。
続いて珈琲は2杯目に。
次は常温に近い濃厚な珈琲を提供される。
豆25gに50ccの抽出。
あらかじめ抽出されていた珈琲を、古屋さんが最後シェイカーを振って作られる。
えー、どんな珈琲なんだろ。
続いて2つ目のペアリング、珈琲はエチオピア・シェカ ナチュラルに、ブラジル・アマレロをブレンドしたもの。
チョコレートはNO41 (Madagascar産カカオ豆70%・6月製作)。
珈琲は、おー湯温が人肌だ!
上にはたっぷりきめ細かい泡立ちがあって、口当たりが柔らかい。
泡は少しビールのホップの様な味わいがあるな。
珈琲のボディはデミタスで濃厚。
ナチュラルのエチオピアが華やかだなぁ!
で、ブラジルには少しスパイシーさがある。
チョコは、さっきのNO40よりまったりした甘さを感じる。キャラメルの様なフレーバーだなぁ。で、キレのよい整った酸味もある。
珈琲の泡立ちが口当たりをまろやかにして、珈琲の苦味をあまり感じなかったのは印象的だなぁ。
いやー、今回もまた変わったペアリングだった。
今回は俄然ぶつけていくペアリングな感じだったな。
会場では今回飲んだコーヒー豆と、キャニスター缶が販売されていた。
NANAIROは、今回食べたNO40、41と、後はホワイトチョコレートが販売された。
最後、古屋さんがお客さん一人一人に感想を聞かれたのが印象的だった。
皆さん思い思いに今回のペアリングを楽しまれた様子だった。
いやー、今回最高のイベントだったなぁ。
しかし、ペアリングも奥が深いなぁ。
作った方達の思いを聞きながらその場で頂けて、こちらの感想を伝えられる環境というのは改めて凄く素敵なことだ。
またこういうイベントがあったらいいなぁ。
参考、普段の珈琲屋うず↓